NaverのAI検索が広告事業の成長をけん引している。導入から8カ月で検索行動そのものに変化が表れ、2025年のプラットフォーム広告成長分の過半をAIが押し上げた。
Naverによると、2025年のプラットフォーム広告売上成長率8.8%のうち、55%分をAIが占めた。2025年第4四半期の売上高は3兆1951億ウォン、営業利益は6106億ウォンで、前年同期比ではそれぞれ10.7%増、12.7%増だった。
広告市場の追い風が乏しい中でも、AIを基盤とした広告の最適化と自動化が、市場成長率を上回る業績につながったとしている。
広告成長の半分超をAIが担う構図は、AI検索の拡大が広告売上の増加に直結し始めたことを示す。Naverは年内にAIの適用範囲を現在の2倍水準に広げる方針で、広告成長への寄与は一段と高まる可能性がある。
◆長文化する検索語、15文字超の質問は2倍に
「AIブリーフィング」は、統合検索クエリの最大20%に適用された。単純計算では、利用者の5人に1人がAIブリーフィング経由で検索結果を受け取っていることになる。
Naverが重視するのは、適用率そのものより検索の仕方の変化だ。従来の1~2語中心の短い検索語に代わり、15文字以上の文章で尋ねる「ロングテールクエリ」が、導入初期の昨年4月比で2倍超に増えた。
AIブリーフィングが提示するフォローアップ質問エリアのクリック数は、導入時に比べて6倍に増加した。さらにパーソナライズ技術の適用後は、フォローアップ質問のクリック率が20%上昇した。
チェ・スヨン代表は「要約結果を表示する最上段エリアでの滞在時間も安定している」とした上で、「AIが提供する情報をユーザーが有用だと感じていることを確認できた」と述べた。
Naverはこうした動きを踏まえ、年末までにAIブリーフィングの適用範囲を現在の2倍水準まで広げる。まず情報系領域の拡張を進め、その後はショッピングやローカル領域にも展開する方針だ。
ショッピングとローカルは、Naverが強みを持つと同時に広告収益化が進んでいる分野でもある。対象拡大は収益面でも戦略的な意味合いを持つ。
一方、AI検索の拡大に伴い、既存の検索広告を侵食する懸念もある。実際、2025年第4四半期のサーチプラットフォーム売上は前年同期比0.5%減となった。
チェ代表は「検索と広告の侵食効果など複数の要素を慎重に見極めながら、適用範囲を柔軟に調整していく」と語った。
◆AdBoost導入は3割、既存広告主の切り替えにも余地
AIが広告売上成長を押し上げた背景には、広告効率の改善と新規広告主の流入という2つの軸がある。広告主センターの統合と広告主向けプログラムの拡充により、12月末時点の成果報酬型広告主数は前年同期の2倍超に増えた。
「AdBoost」ショッピングを利用する広告主は、ショッピング検索広告を出稿する広告主全体の約30%にとどまる。チェ代表は「今後の拡張余地はさらに大きい」との見方を示した。
裏を返せば、既存広告主の約70%はなおAIベースの広告に移行していないことになる。新規広告主の流入がなくても、既存顧客の切り替えだけで追加成長を見込める余地がある。
NaverはAI検索の収益化について、下半期からテストを始める。チェ代表は「ユーザーの探索フローを妨げず、有用なコンテンツの中に自然に広告が溶け込む方法を検討している」と説明した。
AI検索面で新たな広告フォーマットを探る構えだ。
◆ショッピングエージェントからAIタブへ、検索完結を自社内に
NaverはAI検索体験を段階的に拡張する。2月末に「ショッピングエージェント」を投入し、上半期中には「AIタブ」を導入する計画だ。
チェ代表は「ショッピングを皮切りに、飲食店、プレイス、旅行、金融まで、さまざまなバーティカルエージェントを年内に順次投入する」と述べた。
「AIタブ」はショッピング、プレイス、地図などNaverの各サービスと連携し、購入、予約、注文といったアクションにつながる対話型AI検索を提供する。チェ代表は「AIが能動的に介入し、実行段階まで検索ジャーニー全体を支援する」と説明した。
AIブリーフィングによる情報提供、ショッピングエージェントによる商品推薦、AIタブによる行動実行という段階的な戦略からは、検索体験をNaverプラットフォーム内で完結させる狙いがうかがえる。情報探索の段階で外部サイトへ流出させず、購入や予約まで自社内でつなげる構図だ。
拡大戦略を支える基盤として、推論コストの削減も進めた。NaverはGPU運用を統合プラットフォームに一本化し、軽量モデルへ切り替えることで、推論コストを30%以上削減した。
チェ代表は「持続可能なAIサービス運営の基盤を整えた」と述べた。
業界関係者は「NaverがAI検索で広告成長の半分以上を生み出したことは、AI検索でも収益化を同時に実現できることを示した」とした上で、「行動転換まで支援できれば、コマース売上の成長にも同様に寄与する可能性が高い」と分析した。