暗号資産市場の急変で、今回の下落を「押し目」とみるか「クラッシュ」とみるかで見方が分かれている。写真=Shutterstock

暗号資産市場の変動が強まるなか、Bitcoinの足元の急落を「押し目」と受け止めるか、「クラッシュ」とみるかで投資家の見方が分かれている。市場分析会社Santimentは、価格そのものよりもSNS上で使われる言葉の変化に注目すべきだとし、強い恐怖が広がる局面は底打ちのサインになり得るとの見方を示した。

ブロックチェーンメディアのCryptopolitanが7日(現地時間)に伝えたところによると、SantimentはX(旧Twitter)への投稿で、「トレーダーの間では『dip』と『crash』の受け止め方に明確な違いがある」と指摘した。「dip」は単に価格が目に見えて下がった局面を指すのに対し、「crash」という言葉が使われ始める場面では、相場に対する恐怖や感情が色濃く表れるという。

Santimentによれば、「dip」と「crash」を機械的に線引きする明確な基準はない。ただ、ソーシャルデータ上で市場参加者が「クラッシュが起きた」と認識し始める局面は、過去には底打ちを示す有力なサインとして機能してきたとしている。

チャート分析では、Bitcoinが2月5日に6万ドルまで下落する直前まで、SNSでは「dip」への言及が中心だった。ところが同水準に達すると、投資家心理は急速に悪化し、損切り売りが広がった。その後、価格は反発に転じた。

反発局面では、SNS上で「crash」という単語の使用が急増した。Santimentは「主要メディアは反応が遅れがちだが、暗号資産の『崩壊』という構図を拡散する点では一貫して積極的だ」としたうえで、「Bitcoinは安値からすでに13%反発しているにもかかわらず、恐怖を増幅させている」と分析した。

その結果、後追いの投資家のパニックが長引き、大口投資家が恐怖に駆られた個人投資家の売りを吸収しやすい地合いが生まれるとしている。

では、今回の下落は本当にクラッシュと呼べるのか。Santimentは、直近の値動きが市場に大きな衝撃を与えたことは認めつつも、過去の本格的なクラッシュ局面とは性格が異なるとみている。

Bitcoinは過去最高値の12万6000ドルから、およそ半値水準まで下落した。ただ、2月5日には1日で10%超下げるなど、調整の進行が急だったことが市場のショックを大きくしたとみられる。

一部の投資家は、2022年11月のFTX破綻時と比較し、「あの時以来最悪の一日」との見方を示している。これに対しSantimentは、そうした評価は誇張を含むとみる。FTX問題の局面では、Bitcoinは2021年の高値である約6万9000ドルから70%超下落し、1万6000ドル台まで急落した。

当時はTerraと3ACの崩壊に加え、大規模なレバレッジ清算が連鎖し、長期の「暗号資産の冬」につながった。最悪の日にはBitcoinが約14%下落し、メディアの悲観論も一段と強まったという。

Santimentは、当時はシステミックリスクが現実のものとなっていた一方、今回は構造的な崩壊というより、恐怖心理で増幅された急速な調整に近いと位置付ける。

実際、Bitcoinは一時6万ドルを付けた後に素早く切り返し、値動きは再び一定のレンジに戻しつつある。Santimentは「今回の下げはクラッシュではなく、痛みを伴うものの、これまで繰り返されてきた『dip』に近い」とし、「パニック売りの後、市場は再び均衡を取り戻しつつある」と分析している。

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