ビットコインが6日夜に6万5000ドル台まで急落し、暗号資産市場が全面安となった。韓国の取引所ではビットコインが1億ウォンを割り込み、9000万ウォン台で推移した。こうした相場急変のなか、暗号資産取引所Bithumbではイベント報酬を巡る誤入金事故も発生し、同社は補償策と1000億ウォン規模の投資家保護基金の創設計画を明らかにした。
市場では、米ハイテク株安を背景にニューヨーク株式市場が下落し、リスク資産全般に売りが広がった。暗号資産もその流れを受け、主要銘柄がそろって下げた。
韓国のUpbitでは、ビットコインが心理的節目の1億ウォンを下回った。イーサリアム(ETH)は2000ドルの節目を割り込み、一時1876ドルまで下落。XRPも1.16ドルまで売られ、下落率は21.63%に達した。BNB、SOL、ADA、TRX、XLMなどもそろって2桁の下落となった。
米財務長官のスコット・ベッセント氏は議会公聴会で、ビットコイン市場への介入に否定的な見解を示した。報道によれば、米政府は押収したビットコインを保有する一方、追加購入は行わない方針だという。トランプ政権の戦略的ビットコイン備蓄を巡る議論も、市場の不透明感を強める要因となっている。
ビットコインが7万3000ドルを下回った局面では、マイク・ノボグラッツ氏が想定外の値動きだったとの見方を示した。市場では、長期上昇局面を経た利益確定売りに加え、量子コンピューティングを巡る懸念も下落要因として指摘されている。
同氏は、ビットコインが7万〜10万ドルのレンジで落ち着く可能性があるとみている。一方で、今回の下落率は40%に達したものの、2022年のような急落局面とは異なるとの見方も示した。機関投資家の資金流入拡大や金融緩和を背景に、これまでとは異なる市場環境が形成されているという認識だ。
テクニカル面では、ビットコインが100週移動平均を下回り、長期下落局面入りへの警戒が強まっている。過去のケースでは回復まで少なくとも6カ月を要したとして、今回も同様のパターンをたどる可能性があるとの分析が出ている。強い上値抵抗と売り圧力が重なるなか、市場回復は容易ではないとの見方が多い。
急落局面でも、反転を見込む投資家の動きは続く。市場では、XRPが将来的に10ドルへ上昇した場合、1〜2ドル台で購入した投資家は大幅な収益を得る可能性があるとの見通しが示された。過去にXRPが短期間で580%上昇した事例もあり、強い上昇モメンタムへの期待も残る。
Shiba Inu(SHIB)についても、価格が100倍になれば1万ドルの投資が110万ドル規模になる可能性があるとの試算が出ている。ただし、そのためには0.0007555ドルまで上昇する必要があり、上昇率は1万903%に達する。専門家は長期的な可能性を残しつつも、現実化には極めて強い上昇相場が不可欠だとみている。
一方、Bithumbではイベント当選者への報酬として本来支払う予定だった現金2000ウォンの代わりに、誤って1人当たりビットコイン2000枚を入金する事故が起きた。誤って支給されたビットコインの総額は、約133兆ウォンに上ると推計される。
同社はこの事故を受け、対象顧客への全額補償案と1000億ウォン規模の投資家保護基金の創設計画を発表した。価格急落時にビットコインを売却した顧客に対しては、売却差額の全額に加え、追加で10%を補償する方針だ。
さらに、事故発生当時にサービスへアクセスしていた顧客全員に対し、1人当たり2万ウォンを一律で支給する考えも示した。
米国では、暗号資産市場構造法案「CLARITY Act」が業界内の意見対立や政治的な障害で停滞している。TD Cowenは、トランプ大統領が直接関与しなければ法案成立は難しいとの見方を示した。ステーブルコインの報酬を巡る問題や、民主党の支持確保が主な争点として浮上している。
ベッセント氏は、暗号資産規制には法案整備が不可欠だと強調し、Coinbaseが支持を撤回したことにも言及した。Coinbaseはステーブルコインの金利を巡る問題を理由に反対したが、議会では法案成立に向けた議論が続いている。
課税面でも、暗号資産を巡る環境は厳しさを増している。米国や欧州など主要国では、暗号資産保有に関する申告義務化が進み、税務当局の監視が強まっている。7000億ウォン規模の収益を得た投資家が脱税リスクに直面するなど、暗号資産課税は現実の問題となっている。
こうした流れの背景には、暗号資産の税務情報を各国で共有する枠組みであるCARFの導入がある。制度整備の進展により、暗号資産保有の透明性は一段と高まる見通しだ。
他の市場でも変動は大きい。金と銀の市場では48時間で7兆ドルが失われたとされ、ビットコインも7%下落して弱い値動きに追随した。専門家の間では、流動性縮小が続けばビットコインにも追加下落圧力がかかるとの警戒が出ている。
一方で、中長期の強気見通しもなお残る。Pantera CapitalのCEO、ダン・モアヘッド氏は、ビットコインが今後10年で金を大きく上回る可能性があるとして、長期投資の必要性を強調した。機関投資家の本格流入が進めば、ビットコインは歴史上でも有力な資産になると主張している。
Bitwiseも、2026年をビットコインの大きな転換点と位置付ける。機関投資の拡大が価格上昇をけん引し、従来の4年周期が薄れるなかでは、供給イベントよりも市場構造の変化が価格形成に大きく影響するとの見方を示した。