GoFiの償還遅延問題を巡り、GOPAX創業者で運営会社Streamiの前代表を務めたイ・ジュンヘン氏について、韓国警察が横領・背任の両容疑を不送致としたことが分かった。約3年にわたり停滞している被害者救済が前進するかが焦点となっている。
FTX破綻後、GOPAXに預けた仮想資産の償還を受けられていない利用者が残る中、GOPAXの買収に乗り出したグローバル交換業者Binanceが前経営陣を相手取って行った2件の告訴も、いずれも不送致となった。
聯合ニュースによると、ソウル・スソ警察署は1月11日、イ氏の特定経済犯罪加重処罰法上の横領容疑について、証拠不十分を理由に不送致を決定した。これに先立ち、ソウル警察庁の金融犯罪捜査隊も2025年11月、背任容疑について嫌疑なしと判断していた。
イ氏はGoFi問題を受け、保有していたGOPAX株40%超の全てを、韓国市場への進出を目指していたBinanceに売却し、2023年2月にStreami代表を退いた。
今回の捜査で主な争点となったのは、GoFi問題の収拾過程でイ氏が会社に損害を与えたかどうかだった。GOPAXは、イ氏の退任から約2年後の2025年4月に警察へ告訴していた。
GOPAX側は、2023年6月に会社資産である「Genesis債権」約833億ウォンを不当に安値で売却して会社に損害を与えたことが背任に当たるほか、2021年には会社保有のビットコイン60BTCを私的に流用したことが横領に当たると主張していた。
これに対し警察は、問題となった債権売却はイ氏の独断ではなく、当時の経営陣と取締役会の全会一致による適法な経営判断だったと判断した。
当時のGOPAXは、未払いとなっていたGoFiの預かり資産を返済しなければならない状況にあり、Genesis債権の安値売却も私的利益を図る目的とは認め難いとみた。ビットコインの横領容疑についても、会計資料や役職員の供述を総合した結果、容疑の立証は困難だと結論付けた。
GoFi問題は2022年11月、世界有数の仮想資産取引所とされたFTXの破綻をきっかけに表面化した。GOPAXは顧客から預かったコインをGenesis Tradingで運用していたが、FTX破綻の余波でGenesis Tradingが資金を返還できなくなり、顧客資産約600億ウォンが拘束された。
イ氏は2023年2月、Binanceへの株式譲渡に合わせ、GoFiの被害額を全額償還する約束を取り付けた。ただ、金融当局による大株主変更に関する届出の受理が遅れたことに加え、Binance側との経営権を巡る対立も重なり、被害額の約37%はなお未償還のままだという。
その後、ビットコイン価格の上昇もあり、返済対象となる資産価値は現在1000億ウォンを超えると推計されている。
イ氏は聯合ニュースに対し、「債務を私財で穴埋めしたにもかかわらず告訴され、悪者のように扱われて苦しい時間を過ごした。名誉が回復され、債務返済も一日でも早く進んでほしい」と語った。
イ氏はGOPAXとA前代表を虚偽告訴の疑いで、BinanceのB取締役を虚偽事実の流布による名誉毀損の疑いで、それぞれ逆に告訴している。会社を安値で譲渡したのは、利用者の預け資産を早期に回収させるためだったとした上で、Binanceが韓国内の仮想資産事業の権益を確保した後も、償還を含む後続対応が不十分だと主張している。
現在、イ氏とBinance側は、株式買収代金の未払い問題などを巡り、大韓商事仲裁院(KCAB)で国際仲裁手続きを進めている。
(聯合ニュース)