韓国の主要4大銀行であるKB、Shinhan、Hana、Wooriは、2025年に過去最高となる約14兆ウォンの純利益を計上した。一方で、不良債権は増勢が強まり、健全性指標の悪化が鮮明になっている。
背景には、新型コロナウイルス禍以降の景気低迷の長期化がある。個人事業者や中小企業など、信用力の弱い借り手を中心に、元利金の返済が滞るケースが増えているためだ。
足元の景気回復も一部の輸出大企業に偏っており、格差拡大を伴う「K字型」の回復が続く中で、市場金利が上昇に向かえば状況はさらに悪化しかねないとの懸念も出ている。
金融業界によると、4大銀行の2025年通年の純利益は計13兆9919億ウォンとなり、前年の13兆3435億ウォンから約5%増加した。過去最高を更新した。
銀行収益の大半は、貸出金利と預金金利の差に基づく利息収益が占める。超低金利を背景に貸出が急増し始めた2021年の10兆0316億ウォンと比べると、純利益は4年間で39.4%(3兆9603億ウォン)増えた計算になる。
韓国銀行が2025年に計2回の利下げを実施した後も、4大銀行の増益基調は崩れなかった。4大金融グループは、傘下銀行の利息収益が増えた要因について、利下げによる収益性低下懸念がある中でも、貸出資産の増加が利息収益を下支えしたと説明している。
年間の純金利マージン(NIM)は総じて低下したが、貸出残高の拡大によって利息収益の総額はむしろ増えたという。
一方で問題となっているのは、正常債権だけでなく、返済の不確実性が高い与信も急速に増えている点だ。
4大金融グループが公表した実績資料によると、傘下4行の要注意与信(延滞1~3カ月)の合計は、2025年12月末時点で7兆9291億ウォンに達した。前年の7兆1146億ウォンから11%増え、2021年の5兆3093億ウォンと比べると49%増となる。
要注意与信は、2021年末の5兆3093億ウォンから、2022年末6兆623億ウォン、2023年末6兆2918億ウォン、2024年末7兆1146億ウォン、2025年末7兆9291億ウォンと増加基調が続いている。
要注意与信よりも不良度合いの高い固定以下与信(NPL、延滞3カ月以上)も、前年末比14%増の4兆5489億ウォンとなった。2021年以降で最大の水準という。
これに伴い、総与信に占めるNPL比率は単純平均で0.30%となり、前年末に比べて0.03ポイント上昇した。5年ぶりの高水準となる。
不良債権への備えを示す4大銀行のNPLカバレッジ比率(貸倒引当金残高÷固定以下与信、単純平均)は171.7%に低下した。前年末の204.3%から1年で32.6ポイント低下し、200%を割り込んだ。2021年以降では最も低い水準だ。
市中銀行関係者は、コロナ危機後に各行が毎年相応の引当金を積み増し、健全性悪化に備えてきたとした上で、NPLカバレッジ比率の大幅な低下は、2024年以降に貸出の不良化が現実のものとなり、ショック吸収力が急速に低下していることを示していると指摘した。
別の市中銀行関係者は、金融危機当時には健全性指標が大きく悪化したものの、その後は当局の要請と銀行側の対応によって改善してきたと説明。その流れがコロナ危機を機に再び急速に悪化しており、2010年代前半から中盤以降で最も厳しい局面にあるとの見方を示した。
さらに別の銀行関係者は、これまで銀行は貸出営業の拡大によって利息収益を伸ばしてきたが、景気減速と格差拡大の中で、企業部門を中心に不良債権の増加が加速していると述べた。その上で、韓国銀行が利下げの打ち止めを示唆し、市場金利が上昇に転じた以上、中小企業や個人事業者を中心に与信の健全性がさらに悪化する可能性があるとして、銀行による先手の対応が必要だと警戒感を示した。
(聯合ニュース)