韓国で上場投資信託(ETF)市場の拡大が続いている。純資産総額は300兆ウォンを超えたが、その一方で資産運用会社の収益環境は厳しさを増している。ETFへの資金流入が加速するなか、シェア獲得を狙った総報酬の引き下げ競争が激化しているためだ。
金融投資業界によると、2025年に韓国の国内公募ファンド市場(MMFを除く)へ流入した資金のうち、6割超がETFに向かった。前年の公募ファンド市場全体の純流入額約100兆ウォンのうち、約61兆ウォンをETFが占めた。
かつて公募ファンド市場の主力だったアクティブ株式型ファンドは、運用成績の低迷や加入手続きの煩雑さから投資家の支持を失い、ETFがその受け皿となった格好だ。
ETF市場の拡大ペースは足元で一段と強まっている。1月30日時点のETF純資産総額は348兆4574億ウォンと、前年末の297兆1401億ウォンから51兆3173億ウォン増え、増加率は17.27%に達した。市場では400兆ウォン到達も視野に入っている。
ただ、市場規模の拡大がそのまま運用会社の収益改善につながっているわけではない。シェア争いが総報酬の引き下げ競争に発展し、採算を圧迫しているためだ。
Samsung Asset ManagementやMirae Asset Global Investmentsなど大手各社は、米国主要指数に連動するETFやパーキング型ETFの総報酬を0.01%水準まで引き下げた。なかには年0.0099%まで下げ、0.01%を下回る商品も出ている。
業界では、総報酬が0.01%水準の商品は、1兆ウォンの資金を集めても運用会社の年間収益が1億ウォン程度にとどまるとの見方が出ている。マーケティング費用などを考慮すると、実質的に利益を確保しにくいという指摘だ。
これに対し、一般的な株式型ファンドの運用報酬は年0.5~0.7%程度とされる。単純計算では、ETFを1兆ウォン運用するより、一般ファンドを1000億ウォン運用する方が、運用会社の収益は大きくなる可能性がある。
ETFではさらに、連動対象となる指数の算出事業者に対して、KOSPIやS&P500などの指数使用料を支払う必要がある。加えて、ブランド広告や販促イベント、LP(流動性供給)関連費用などもかさむ。市場規模が拡大しても、運用会社の実質的な収益性が改善しにくい構造になっている。
こうした状況を受け、金融当局と業界は公募ファンド活性化策として「公募ファンドの上場クラス」を導入した。既存の公募ファンドをETFのように株式市場へ上場し、リアルタイムで売買できるようにする制度で、昨年10月27日に初めて導入された。
この制度により、投資家は銀行や証券会社の店頭で複雑な加入手続きを行わなくても、モバイル取引システム(MTS)を通じて既存ファンドを「Xクラス(上場クラス)」として売買できるようになった。販売報酬や手数料の削減、解約までの期間短縮が柱となる。
もっとも、専門家は公募ファンドが生き残るには、取引の利便性向上だけでは不十分だとみる。運用戦略そのものの差別化が不可欠だという。
資本市場研究院のキム・ジンヨン研究委員は「ETFが市場を主導するなか、一般の公募ファンドが生き残るには、ETFと差別化されたポートフォリオ戦略が欠かせない」と指摘した。そのうえで「指数連動にとどまらない積極運用を通じて、ETFでは提供しにくい多様な投資機会を提示すべきだ」と述べた。
さらにキム氏は「一般公募ファンドのポートフォリオ差別化の水準が高いほど、資金フローにプラスの影響を与える」と説明。「ETFとの保有銘柄の重複度が低いほど、新規資金の流入が増えるか、資金流出が抑えられる傾向がある」との分析を示した。