AIソフトウェアのイメージ(写真=Shutterstock)

韓国政府が2026年のAI関連予算として、過去最大となる9兆9000億ウォンを計上した。予算規模の拡大で関連企業の受注機会が広がるとの期待がある一方、配分はインフラ寄りで、中小ソフトウェア企業の参入余地を懸念する声も出ている。

国家人工知能戦略委員会が5日に公表した全省庁のAI予算統合説明資料によると、政府は2026年を「AI G3」飛躍の元年と位置付け、AI予算を前年の約3倍に増やした。

省庁別では、科学技術情報通信部が5兆1000億ウォンで全体の51%を占めた。産業通商資源部が1兆7000億ウォン(17%)、中小ベンチャー企業部が9000億ウォン(9%)で続く。最大配分となった科学技術情報通信部では、高性能コンピューティング資源の拡充に2兆1000億ウォンを充てており、インフラ重視の編成が鮮明だ。

科学技術情報通信部の関連事業は192件。このうちインフラ・ハードウェア関連が42件、ソフトウェア・モデル開発関連が31件だった。ソフトウェア・モデル開発関連31件の予算総額は約6383億ウォンで、高性能コンピューティング資源拡充事業の3分の1程度にとどまる。

AIエージェントと大規模言語モデル(LLM)の開発を直接支援する事業も、今年初めて別枠で編成した。主な事業は、AIエージェント先導国家事業(200億ウォン)、ワールドベストLLMデータ活用支援(300億ウォン)、人間-AI協業型LLM開発・グローバル実証(667億ウォン)、次世代生成AI技術開発(40億ウォン)など。

このうちAIエージェント先導国家事業は、2つの事業で構成される。韓国知能情報社会振興院(NIA)がインフラ・エコシステム造成に100億ウォン、情報通信産業振興院(NIPA)が融合・拡散支援に100億ウォンをそれぞれ担う。支援対象はAI・データ専門企業で、支援比率は50%。公募日程は現時点で公表されていない。

中小ソフトウェア企業を主な対象とするバウチャー型支援も設ける。AI統合バウチャー、ICT戦略融合R&Dバウチャー、全国民AI活用サービス開発環境造成、AX革新企業創意技術開発などが対象だ。AI応用製品の迅速な商用化を支援する「AX Sprint」(6000億ウォン)は、科学技術情報通信部(セキュリティ)、国土交通部、NIPA(生活分野)など10省庁が分野ごとに分担して運営する。

資金調達を目指すAIスタートアップ向けには、政策ファンドも2本用意する。中小ベンチャー企業部はディープテック・AIスタートアップファンド(3000億ウォン)を組成し、金融委員会は国民成長ファンド(2000億ウォン)を通じてAI革新企業への投資を拡大する方針だ。運用会社の選定日程は今後公表する。

業界では、インフラ予算の拡大そのものは歓迎する一方で、中小ソフトウェア企業が参加しにくい構図になりかねないとの懸念が広がっている。

業界関係者は、AI研究者やエンジニアの現場では、データキュレーションやアルゴリズム最適化、AIパイプライン運用といったソフトウェア領域への投資が重要視されていると指摘。その上で、インフラに予算が偏れば、ソフトウェア開発ツールやオープンソースのエコシステム支援が相対的に手薄になる可能性があるとした。行政手続きの負担や大企業中心の事業構造によって、中小チームが申請自体を断念するケースもあり、インフラとソフトウェアを連動させた統合支援の仕組みが必要だとしている。

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