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韓国株が急騰する局面でも、海外株投資に積極的な個人投資家の資金は国内市場へ戻らず、米国市場に上場する韓国関連ETFへ流れている。中東情勢を背景にドル高が進み、為替差益への期待が高まっているうえ、資金の国内還流を促す政策として打ち出された国内回帰口座(RIA)の法案審議も停滞しているためだ。

韓国取引所によると、5日のKOSPIは前日比490.36ポイント(9.63%)高の5583.90で取引を終えた。前日に12.06%下落した反動で買い戻しが入り、下げ幅の大半を取り戻した。

ただ、韓国株が急反発しても、個人投資家の資金が国内株に向かっているわけではない。短期間に急落と急騰を繰り返すなど値動きの荒い展開が続くなか、国内市場への回帰をためらわせる最大の要因としてドル高が指摘されている。

中東情勢は韓国株には不安材料として作用する一方、為替市場では安全資産としてドルを押し上げた。米国株に投資する個人にとっては、為替差益が相場変動を補う要因になっている。

米国とイスラエル、イランを巡る軍事的緊張が高まるなか、為替市場ではドル高・ウォン安が進んだ。4日のソウル外国為替市場では、ウォン相場は1ドル=1476.2ウォンで日中取引を終えた。夜間取引では一時1500ウォンを上回り、変動性は一段と高まった。

為替の急変は、米国株を保有する投資家に大きな為替差益をもたらす。ウォン安が進めば、株価が横ばいでもドル建て資産のウォン換算額は増えるためだ。

2026年1月時点で、国内投資家の米国株保管残高は253兆ウォンを超え、過去最高を更新した。高水準の為替相場に備え、ドル資産を持ち続けたいという心理が働いた結果とみられる。

こうしたなか、資金の国内還流を促す中核策とされるRIAは、国会審議を通過できていない。2月27日に予定されていた国会企画財政委員会小委員会の日程が取り消され、租税特例制限法改正案の議論は無期限で先送りされた。

RIAは、海外株の売却代金を国内株に長期投資する場合、譲渡所得税を最大100%減免する制度だ。企画財政部は当初、2月の臨時国会で法案を成立させ、1四半期内に制度を導入する計画だった。

しかし、1月中旬に議員立法として発議された法案は棚上げされたままで、本会議での処理は3月末以降にずれ込むとの見方が強い。

立法が2四半期に持ち越されれば、適用期限である2026年12月31日までに実際に恩恵を受けられる期間は約6カ月に縮む。

このため、金融投資協会は証券各社に対し、事前の広報・マーケティングを自制するよう勧告した。証券会社が準備していた販促戦略も足踏み状態にある。

制度導入が遅れる間にも、KOSPIは記録的な上昇を演じた。先月25日には6022.70を付け、初めて6000の大台を突破した。

それでも投資家は、ウォンで国内株を直接買うのではなく、ドルを保有したまま米国市場で韓国株高に乗る手法を選んだ。

資金が集中した代表的な商品が、iShares MSCI South Korea(EWY)とDirexion Daily MSCI South Korea Bull 3X Shares(KORU)だ。KORUはMSCI韓国指数に3倍で連動するレバレッジETFで、直近1年のリターンは863.65%と、NASDAQ100連動のQQQを大きく上回った。

2月最終週時点で、国内投資家はKORUを738億5790万ウォン(5132万9420ドル)、EWYを517億ウォンそれぞれ純買い越した。4日現地時間時点でも、証券口座の収益率上位1%の投資家がこれら銘柄を集中的に買い進めたという。

こうした迂回投資が選ばれる背景には、税制優遇よりも為替とレバレッジの魅力が大きいことがある。米国株口座で海外上場ETFを売買した場合、年間250万ウォンを超える利益には22%の譲渡所得税が課される。

一方、国内株への直接投資には売買差益が非課税となるメリットがある。それでも投資家は税負担を受け入れてでも、値動きの大きい相場での収益機会とドル高による為替差益を同時に狙っている。

金融投資業界では、制度導入の時期と市場環境のずれが大きくなり、政策の誘因効果が弱まったとの見方が出ている。政策論議が始まった時点に比べてKOSPIが急騰しており、投資家としてはRIAを通じた割安な買い場を逃したというわけだ。

Toss Securitiesのリサーチセンター長、イ・ヨンゴン氏は「国内市場に対する構造的な信頼回復がなければ、税制優遇だけで投資家を呼び戻すのは難しい」と指摘。「資金は常に高い収益が見込める場所に向かう。国内市場が本当に『投資に値する場所』だという信頼を取り戻せるかが鍵になる」と述べた。

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