写真=Diverのカン・ドンギュン取締役

Diverは、企画から製造、流通、精算までの全工程を一つの基盤で管理できる製造業向けB2B SaaSプラットフォームを開発した。現在は一部の顧客企業で導入が進んでおり、3月からは協力工場にも展開する。日本を起点にグローバルでの標準化も視野に入れる。

AIやデジタルプラットフォームの進展を背景に、各産業で業務の見直しが進んでいる。とりわけ近年は、グッズ市場やブランド製品の製造分野が急成長しており、同分野でもデジタル化の需要が高まっている。

こうした中、製造業特化のSaaSプラットフォームを開発したDiver(代表:キム・ジュンベ)は、電話やメッセンジャーに依存してきた従来の製造現場の非効率を、ソフトウェアで解消したい考えだ。

同社で運営を統括するカン・ドンギュン取締役は、「Diverは、ブランドの価値を手に取れる実物へと具体化するプラットフォームだ。従来の製造業が抱えてきたアナログな限界を技術で乗り越え、新たな標準を作っていく」と話す。

製造業の業務を支えるSaaS基盤

Diverが中核事業として育成するのが、製造業向けのSaaSプラットフォームだ。ブランド製品の企画や調達、製造、流通、精算にまたがる業務を効率化し、企業の運用負担を減らす仕組みとして提供する。

現在は主要機能を中心に段階的な開発を進めており、一部顧客ですでに活用が始まっている。カン取締役は「既存の業務フローを大きく変えず、反復業務や管理領域から使いやすい機能を選んで導入できる形を目指した」と説明した。

開発の背景には、顧客企業から寄せられた継続的な要望と、社内運営の効率化ニーズがあったという。カン取締役は「構造的な課題を根本から解決する必要があった。誰でも簡単に製造を依頼し、進行を管理できるサブスクリプション型ソフトウェアへ発展させたい」と述べた。

同社はこれを単なるサービス拡張とは位置付けていない。アナログ中心だった製造業を、データを軸とする高付加価値型の産業へ転換することを目標に掲げる。

分断された工程を単一ワークフローに統合

SaaS開発の出発点には、「ブランドが本質的な業務に集中できるよう支援するパートナー」という同社の考え方がある。企業が製品を作る際にぶつかる課題を洗い出し、それを解決するための仕組みとして設計した。

カン取締役は「課題は企画段階から始まる。市場にどのような製品があり、何を作るべきか分からないケースは少なくない」と説明する。Diverはこれまで、顧客の反応が良かったポートフォリオを提示して商品選定を支援し、その後に製造工場とのマッチングを行ってきた。

製造段階でも、製品が決まってから、どの工場で生産すべきか判断できないケースが多いという。Diverはこうした一連の課題をデータとして蓄積し、ERPの形で統合した。流通と精算についても同様の考え方で処理できるようにした。

カン取締役は「企画から製造、流通、精算まで、すべての工程を一つのプラットフォームで管理できるよう設計した。これがDiverの中核的な競争力だ」と語った。

3月からは、このシステムを協力工場にも広げる計画だ。工場側がDiverのシステム上で受発注を直接管理できるようになれば、現場に残る慢性的な非効率の改善につながるとみている。

現場データを競争力に

同社のSaaSプラットフォームが注目を集める理由として、Diverは現場で蓄積したデータの厚みを挙げる。

カン取締役は「机上で設計した理論先行のシステムではない。数万件に及ぶプロジェクトを進める中で、現場で検証してきた実務ロジックをそのままシステムに落とし込んだ」と説明した。その上で、「過去5年間で約2000%の成長を遂げた背景でもあり、顧客から高い評価を得ている理由でもある」と述べた。

外部からの評価も得ている。Diverは韓国中小ベンチャー企業部と創業振興院の支援を受け、漢陽大学主幹の「2025 創業中心大学」プログラムに選定され、優秀企業として評価された。

2027年売上250億ウォン、2030年3000億ウォンへ

事業面では、2027年までに売上高250億ウォン(約3億円)を達成し、韓国の製造市場でデジタル標準のポジションを確立する方針だ。これは現状比で約2.3倍の成長に当たる。あわせて、日本を起点にグローバルでの標準化を加速させる考えも示した。

最終的には、2030年に売上高3000億ウォン(約33億円)、営業利益率21%を目指し、「世界1位の製造運用プラットフォーム」への成長を掲げる。

カン取締役は「イノベーションのスピードを高め、グローバル市場への展開を進めるため、シリーズAでの資金調達を進めている」と明らかにした。さらに「Diverは単に製品を代行生産する会社ではない。アナログ中心の製造業を、データ中心の高付加価値モデルへと変えていく『製造テック企業』だ」と強調した。

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