Moody'sは29日、LG Electronicsの信用格付けをBaa2からBaa1に引き上げたと発表した。同社の見通しは「ポジティブ」から「安定的」に変更した。LG Electronicsの格上げは約5年ぶりとなる。
Moody'sは、主要な財務指標が前年に改善したことに加え、今後1~2年で業績回復に伴う追加的な改善が見込めると判断した。LG Electronicsが36.7%を保有する関連会社LG Displayの業績改善も、格上げの理由に挙げた。
Moody'sは、LG Electronicsの負債/EBITDA倍率が2024年の2.4倍から、2025年には2.1~2.2倍程度に低下すると予想。収益力の改善と負債圧縮が続けば、今後1~2年で1.7~1.9倍まで改善するとの見方を示した。インド法人の新規株式公開(IPO)に伴う株式売却や、LG Display向け貸付金の回収によって、純負債の減少が見込めるとしている。
収益性についても、テレビ事業の収益改善策に加え、前年に計上した一時費用の反動などから、今後1~2年で持ち直す可能性があるとした。販売・生産拠点の分散と価格戦略によって、米国の関税政策による影響は抑制できるとみている。
さらに中長期的には、非家電分野やサブスクリプション事業の比率を高めることで、景気変動への耐性を段階的に強化していくと分析した。AIとロボット技術を基盤とする家電、先端車載部品、データセンター冷却分野で成長基盤を築いている点にも言及した。
今回の格上げにより、LG Electronicsを巡っては主要な国際格付け会社2社で評価改善の動きがそろった。2025年10月には、S&Pも同社の格付け見通しを「BBB Stable」から「BBB Positive」に引き上げている。