Samsung Electronicsは1月29日、2025年10〜12月期の連結業績を発表した。売上高は93兆8000億ウォン、営業利益は20兆1000億ウォン。半導体を担うDS部門の営業利益は16兆4000億ウォンに達し、全社営業利益の82%を占めた。メモリーが収益を押し上げた一方、ファウンドリやシステムLSI、モバイル、家電は総じて伸び悩み、事業構成の偏りが改めて浮き彫りになった。
同時に開いた決算説明会では、2025年通期の売上高が333兆6100億ウォン、営業利益が43兆6000億ウォンだったと明らかにした。前年比では売上高が11%増、営業利益が33%増となった。DS部門の通期営業利益は24兆9000億ウォンで、前年から10兆ウォン近く増加した。一方、ファウンドリとシステムLSIを含む非メモリー事業やセット部門は、収益性の改善に苦戦した。
ファウンドリ部門は増収を確保したものの、赤字が続いた。ファウンドリ事業部のカン・ソクチェ副社長は、第4四半期に第1世代2ナノ新製品の量産立ち上げを本格化し、4ナノのHBMベースダイ製品の出荷を始めたと説明した。
米中顧客の需要は堅調で、売上高は前四半期比で増加した。ただ、引当金の計上が重荷となり、損益改善は限定的だったという。
システムLSI事業も厳しい状況が続いた。システムLSI事業部のシン・スンチョル副社長は、主要顧客の季節要因に加え、新製品の供給スケジュール調整の影響で四半期実績が減少したと述べた。一方、イメージセンサーは2億画素品とビッグピクセル5000万画素品の新製品販売が拡大し、売上高が伸びたとしている。
モバイルを含むDX部門も、半導体に比べると力強さを欠いた。第4四半期の売上高は44兆3000億ウォンだったが、営業利益は1兆3000億ウォンにとどまった。前四半期比では売上高が8%減、営業利益は2兆ウォン超減少した。
MX事業部のチョ・ソンヒョク副社長は、新モデル投入効果の一巡などでフラッグシップスマートフォンの販売が減り、売上高、利益ともに前四半期を下回ったと説明した。
テレビなどを手がけるVD事業部は、第4四半期に赤字を計上した。VD事業部のイ・ホン副社長は、季節的な需要の谷間が続いたことに加え、世界的な関税の影響で生活家電の業績が悪化したと述べた。テレビは年末商戦の効果で売上高こそ前四半期比で増えたが、競争激化や低価格攻勢への対応が収益性を圧迫したという。
ファウンドリは受注拡大、なお収益改善が課題
Samsung Electronicsのファウンドリ事業は、技術面で競争力を維持する一方、業績改善のペースは鈍い。カン副社長は、2ナノではプロセス安定化に注力しながら、後続プロセスの適時開発を進めていると強調した。
パッケージ分野では、先端プロセス向けの3Dハイブリッド・カッパーボンディング技術を整備するなど、先端パッケージングの競争力強化を進めたとしている。
2026年の見通しについては、先端プロセスを軸に売上高は前年比で2桁成長し、業績も継続的に改善するとの見方を示した。下期には第2世代2ナノプロセスを適用した新製品の量産も始まるとしている。
米テキサス州テイラー工場については、年内の適時稼働に向けて建設を進めていると説明した。
受注拡大にも手応えを示した。カン副社長は、Teslaからの受注後、米国と中国の大手顧客と活発に案件協議を進めていると述べた。特に2026年は、HPCやAI向けを中心に、2ナノの受注案件を前年より130%以上積み増せると期待しているという。
また、ロジックプロセスベースのベースダイと、メモリー・プロセスベースのコアダイを3D積層するワンストップ型ソリューションとして、多様なHBM製品を開発し、量産協力を進めていると説明した。中長期的には、ターンキー型ビジネスモデルでも実質的な成果が見込めるとしている。
CFOのパク・スンチョル氏は、メモリーは技術競争力の優位を回復し、ファウンドリはプロセス完成度の向上を通じて拡大した受注機会を業績に結び付ける局面に入ったと述べた。システムLSIについては、事業競争力の確保を通じて全般的な変革を進める方針を示した。
メモリー好調の裏で際立つ事業構成の偏り
モバイル事業では、2026年のメモリー価格急騰によるコスト上昇が重荷となる見通しだ。
チョ副社長は、AIサーバー向けメモリー需要の拡大を受け、モバイル向けメモリーの供給不足と価格急騰が2025年10〜12月期から顕在化し始めたと説明した。2026年は厳しい経営環境が見込まれるが、業界共通の課題だとの認識も示した。
対応策としては、サプライチェーンの安定化と効率化を挙げた。主要協力会社との戦略的パートナーシップを通じた安定調達を基盤に、市場や競争環境の変化に先手を打って柔軟に対応する方針だ。全工程で資源効率化を進め、戦略的対応によって利益減少リスクの最小化を図るとしている。
製品競争力の強化も進める。チョ副社長は、第1四半期にS26の立ち上げを成功させるほか、販売が好調な折りたたみ製品の堅調な販売を維持し、M-1とFE製品群の販売拡大で売上成長をけん引すると述べた。
ディスプレー事業も、メモリー価格上昇の影響を受ける。Samsung Displayのホ・チョル副社長は、2026年はメモリー市況の上昇に伴うスマートフォン需要の不確実性やパネル価格への圧力などから、過去のどの年よりも厳しい1年になるとの見方を示した。そのうえで、生産性向上などを通じて極限まで原価競争力を高める考えを示した。
テレビ事業はサービス事業の拡大で打開を図る。イ副社長は、次世代デバイスで成長ドライバーを確保するとともに、サービス事業をさらに拡大すると強調した。Samsung TV Plusやアートストアを高度化し、幅広いコンテンツ企業との連携を強化することで、コンテンツの差別化に加えテレビ販売の拡大にもつなげる考えだ。
パクCFOは、2026年は世界的な関税障壁や地政学リスクなど多様な不確実性が続くとの見方を示したうえで、外部環境の変化に備え、先手を打って準備し機動的に対応していくと述べた。圧倒的な製品技術力に加え、サプライチェーンの先行的な多角化とオペレーション最適化によって基礎的な競争力を高め、部材価格の上昇や関税リスクの下でも事業の競争優位を確保する方針だ。