アルトコイン市場が、FTX破綻後を上回る厳しい局面に入ったとの見方が強まっている。もっとも、今回の下落は2022年当時のような連鎖的な強制清算が主因ではなく、流動性の低下とリスク回避姿勢の強まりが相場を押し下げているとの分析も出ている。
Cryptopolitanが4日、CryptoQuantのオンチェーンデータを基に報じたところによると、アルトコインの4割超が過去最安値圏で取引されている。市場の弱気ムードはFTX破綻後の下落局面より広範囲に及んでいるという。CryptoQuantのアナリスト、DarkFrostは「今回の下落は現サイクルで最大級だ」とし、アルトコイン市場になお強い売り圧力が残っていると分析した。
一方で、2022年のFTX破綻局面とは市場構造が異なるとの指摘もある。当時はパニック売りと大規模な強制清算が相場変動を増幅させたが、足元では目立った連鎖清算が起きていない。流動性不足と投資家のリスク選好低下が、じわじわと価格を押し下げている構図だ。
CoinSharesのリサーチ責任者、James Butterfillは、今回の値動きについて「過去と異なり、大規模な強制清算を伴わない比較的健全な調整を示している」と説明した。その上で、利回り上昇や地政学リスクの高まりにもかかわらず、市場のポジション整理が相応に進んでいる可能性を示唆した。
市場資金がアルトコイン全般から流出し、Bitcoin、Ethereum、Solanaといった主要銘柄に向かっている点も、こうした見方を裏付けている。米暗号資産取引所大手のCoinbaseも取扱銘柄の選別を進めており、流動性が一部銘柄に集中する流れが強まっている。時価総額の小さいアルトコインには、追加の下押し圧力となる可能性が高い。
もっとも、一部アナリストの間では、今回の局面を長期的な強気相場の起点とみる見方もある。市場関係者の一人は、過去6年のデータを根拠に「現在のレンジ相場が次の大きな値動きの出発点になり得る」と指摘した。ただ、今後の方向性は足元で形成する三角持ち合いを上抜けるか下抜けるかに左右されるとの慎重な見方もある。
アルトコイン反発の前提条件としては、Bitcoinの一段高が挙がっている。暗号資産アナリストのミカエル・バン・デ・ポッペは、Bitcoinが6万5000ドルを明確に突破すれば、流動性の循環が進み、アルトコインにも資金が波及する可能性があるとみている。ただし、本格的な「アルトコインシーズン」には、資金がBitcoinにとどまらず、中小型トークンにまで広がる必要があるという。
マクロ経済指標も相場を左右する要因となる。購買担当者景気指数(PMI)が50を上回り、景気拡大のシグナルが確認されれば、リスク資産への選好が戻り、アルトコイン相場の反発につながるとの見方がある。一般にPMIは50超が景気拡大、50未満が景気縮小を示す。
一方、世界の金融市場では地政学的緊張の高まりを背景に、ボラティリティが拡大している。3月3日時点では金が4.3%下落し、銀は7.5%安、プラチナは11.3%安となった。こうした環境下でもBitcoinは7万ドル台を回復しており、短期的には相対的な強さを維持している。