投資マネジャーのローレンス・レパード氏が、米国政府がビットコインと金を軸に通貨制度を再構築する可能性に言及した。ビットコインを1BTC=100万ドル、金を1オンス=3万ドルで再評価するという大胆なシナリオで、市場では賛否が分かれている。
ブロックチェーンメディアのThe Crypto Basicが28日(現地時間)に報じたところによると、レパード氏は暗号資産専門ポッドキャスト「What Bitcoin Did」に出演し、ビットコインと金は単なる投機資産ではなく、将来の通貨システムの中核資産になり得るとの見方を示した。
同氏が示したシナリオでは、政府がビットコインと金の価値を公式に引き上げる。具体的には、ビットコインを1BTC=100万ドル(約1億5000万円)、金を1オンス=3万ドル(約450万円)とし、その水準でドルをビットコインや金に交換できるようにする構想だ。
レパード氏は、これはドル安と財政不安への対応として想定される極めて異例の選択肢だと説明した。実施された場合、短期間でドル建て資産の価格が急騰する可能性があるとも述べた。
また米国は、長期的なインフレと社会的緊張を受け入れるか、通貨システムそのものをリセットするかの岐路に立たされていると分析した。ドナルド・トランプ大統領とスコット・ベセント財務長官が主導すれば、1971年以降続く法定通貨体制を事実上転換し、実物・硬性資産を基盤とする新たな通貨秩序を導入するきっかけになり得るとの見方を示した。
一方で、こうした転換は債券保有者に大きな打撃を与え、当初は深刻な経済的混乱を伴う可能性が高いとも認めた。負債の実質価値が急速に損なわれる恐れがあるためだ。
それでも同氏は、長期的にはより安定的で健全な通貨システムにつながる可能性があるとみている。
この発言を巡っては、市場の見方も割れている。インフレと負債膨張の悪循環を断ち切るための不可避な一度限りの措置だと評価する声がある一方、大規模な通貨リセットが歴史的に円滑に機能した例は乏しいとして、慎重な見方も根強い。
短期的な対症療法にすぎず、財政・金融政策の根本問題は解決できないとの批判もある。
レパード氏自身も、この構想の実現確率は10%程度にとどまるとの認識を示した。現政権にこうした急進策を実行するだけの政治的・制度的な能力があるのかは不透明だとし、トランプ大統領はビットコインの戦略備蓄に関する大統領令に署名したものの、ビットコインと金に基づく通貨リセット計画に公式に言及したことはないと指摘した。
足元の市場では、金がビットコインを上回る動きを見せている。今年に入り、金価格は21.6%上昇して一時5262ドル(約78万9300円)を付けた一方、ビットコインは1.58%高の8万8899ドル(約1333万4850円)近辺で推移している。
レパード氏が示した米国発の「通貨リセット」シナリオは、実現性こそ不透明ながら、市場に一石を投じる仮説として注目を集めている。