Samsung Electronicsの半導体事業が、メモリ市況の回復を追い風に業績を大きく伸ばした。2025年10〜12月期はDRAMとNANDの平均販売価格(ASP)が市場予想を上回って上昇し、メモリ事業は四半期ベースで過去最高を記録した。供給が逼迫する中、首位シェアを持つ同社の価格決定力が業績を押し上げた格好だ。
同社が1月29日に発表した2025年10〜12月期の半導体部門(DS)の業績は、売上高が44兆ウォン、営業利益が16兆4000億ウォンだった。メモリ事業は四半期として過去最高の実績となった。通期では売上高333兆6100億ウォン、営業利益43兆6000億ウォンを計上した。
10〜12月期のASPは、DRAMが前四半期比で約40%上昇し、NANDも20%台半ば上昇した。市場ではDRAMが31%、NANDが18%程度の上昇が見込まれていたが、実績はこれを大きく上回った。
メモリ事業部バイスプレジデントのキム・ジェジュン氏は、AI市場の先行獲得競争を背景にハイパースケーラーの設備投資(CAPEX)が拡大し、サーバー向け需要が業界全体の供給を大きく上回ったと説明した。在庫水準が低く、供給余力も限られる中で、高付加価値品を軸に販売を進め、収益性の改善につなげたという。
業績改善を支えたのは製品ミックスの見直しだ。DRAMでは高帯域幅メモリ(HBM)、サーバー向け大容量DDR5、LPDDR5Xを中心に需要を取り込んだ。キム氏は、サーバー向けのビット販売が過去最高を更新し、ASPの上昇率は前四半期比で約40%に達したと明らかにした。
NANDについては、QLCの販売拡大やプレーナーNANDの終売の影響で、ビットベースの平均単価の伸びが見えにくくなる要因があったという。それでも、サーバー向けを中心とした製品構成と市場全体の価格上昇を背景に、ASPは前四半期比で20%台半ば上昇したと説明した。
同社はNANDで、限られた供給可能量の中でもサーバーSSDの販売を優先した。その結果、サーバー向けの販売比率は前四半期比で約10ポイント上昇したという。
注目されるのは、供給側に立つ大手メーカーとしての価格決定力だ。業界では10〜12月期のDRAM価格は前四半期比で30%台前半、NANDは10%台後半の上昇が見込まれていた。これに対し、同社の実績はDRAMが約40%、NANDが20%台半ばと市場平均を大きく上回った。シェア首位の立場を背景に、顧客との値上げ交渉で優位に立ったとの見方が出ている。
キム氏は、顧客がメモリ不足によって最終製品の供給に支障が出ることを懸念し、必要数量の確保に積極的に動いたと説明した。業界全体の供給制約を背景に、市況の強さが続いたとも述べた。
HBM4は2月に量産出荷、2026年のHBM売上は前年比3倍超を見込む
Samsung Electronicsは2026年、AI半導体市場での主導権確保に注力する。メモリ事業部はHBM4の量産出荷を2月に開始すると発表した。
キム氏は、主要顧客からは差別化された性能競争力を評価するフィードバックを得ていると説明した。2月からは最上位ビンの11.7Gbps製品を含むHBM4の量産出荷を始める予定だという。
HBMの売上拡大にも自信を示した。2026年のHBM売上は前年比で3倍以上になる見通しで、現時点で確保している生産能力については、顧客から全量の購買発注(PO)を確保済みだと強調した。主要顧客は2027年以降の供給分についても、早期の供給協議妥結を求めていると付け加えた。
サーバーDRAM市場の開拓も進める。キム氏は、AI関連需要に連動した健全で持続的な成長に対応するため、HBMとサーバー向けDDRをバランスよく供給し、柔軟に対応していく方針を示した。
NANDでは、主力SSD分野でTLCベースのPCIe Gen6 SSD需要が急拡大すると見込み、TLC製品群を軸に市場対応を強化する計画だ。
Samsung Electronicsの最高財務責任者(CFO)、パク・スンチョル氏は、ロジック、メモリ、ファウンドリー、先端パッケージングまでを一貫して提供できる世界唯一の半導体企業としての強みを生かし、AI半導体市場で主導権を確保していく考えを示した。
2026年の設備投資(CAPEX)も前年比で相応の増加を見込む。キム氏は、新規ファブやクリーンルームの活用に向けた投資が増える見通しだと述べた。DRAMでは1cナノ、NANDではV9を中心に、先端プロセスの生産能力確保を加速する方針だ。