SK hynixは1月29日、2025年通期の営業利益が47兆2063億ウォンとなり、前年比101%増で過去最高を更新したと発表した。HBM売上が前年の2倍超に拡大したほか、AI向け需要の拡大を背景にDRAMとNANDの販売価格も上昇し、収益を押し上げた。年末時点の財務はネットキャッシュに転じた。
2025年10〜12月期の連結業績は、売上高が32兆8267億ウォンで前四半期比34%増、前年同期比66%増だった。営業利益は19兆1696億ウォンと、前四半期比68%増、前年同期比137%増となり、四半期ベースで過去最高を更新した。営業利益率は58%だった。
通期では売上高が97兆1467億ウォンで前年比47%増、営業利益は47兆2063億ウォンで同101%増となった。同社は、AIシフトが進む需要構造を捉えつつ、技術競争力の強化と高付加価値製品の構成比拡大を進めたことが、高収益につながったと説明した。
HBMが成長を牽引、DRAM事業は過去最高
業績を支えたのは、HBMとサーバー向け汎用メモリの需要拡大だ。DRAM事業では、HBM売上が前年比で2倍超に拡大した。HBM3E 12層品の販売増が寄与し、年間のDRAM売上高と営業利益はともに過去最高となった。
10〜12月期のDRAM出荷量は、HBM3E 12層品とサーバー向けDDR5の販売増を受けて、前四半期比で1桁台前半の伸びとなった。高容量DDR5モジュールの出荷量は前四半期比で約50%増え、AIおよびHPC向け需要の拡大を牽引した。平均販売価格(ASP)は、汎用DRAMの価格上昇を背景に前四半期比で20%台半ば上昇した。
SK hynixのソン・ヒョンジョン コーポレートセンター社長は、同社について「HBM3EとHBM4を同時に安定供給できる業界唯一の企業だ」と説明。技術優位に加え、品質と量産能力の両面で顧客の信頼を確保していると強調した。
HBM4については、昨年9月に量産体制を整えた後、顧客需要に対応する量産を進めているという。同社は、既存製品に適用している1bナノプロセスベースでも、顧客要求を満たす性能を実現した点を技術的成果として挙げた。独自のパッケージング技術「Advanced MR-MUF」を活用し、HBM3E 12層品並みの歩留まり確保を見込むとしている。
汎用DRAMでは、高性能とコスト競争力を備えた1cナノDDR5の本格量産に入った。さらに、1dナノ32Gbベースで業界最大容量とする256GB DDR5 RDIMMを開発し、サーバー向けモジュール分野でも優位性を確保したとしている。
NANDも回復、エンタープライズSSD需要を取り込む
NAND事業では、昨年上半期の需要低迷局面でも321層QLC製品の開発を完了した。下半期にエンタープライズSSDを中心とする需要回復を取り込み、通期売上高は過去最高となった。
10〜12月期のNAND出荷量は、モバイル向けとエンタープライズSSD向けの需要増を受け、会社計画を上回る前四半期比約10%増となった。ASPは価格上昇幅の拡大を受けて、前四半期比で30%台前半上昇した。
ソン・チャンソク NANDマーケティング担当は、AIの進展によってデータをより精密かつ高速に扱う需要が高まり、高性能・大容量のエンタープライズSSD需要が構造的に増えていると説明した。GPU主体のサーバー構成では、SSDが演算パイプラインを支える重要デバイスになっているとの見方も示した。
同社は321層への移行で製品競争力を高めるとともに、SolidigmのQLCエンタープライズSSDも活用し、AIデータセンター向けストレージ需要に対応する方針だ。次世代245TB製品の開発を通じて、AI処理拡大に伴う超大容量ストレージ市場の需要取り込みを図る。
財務体質改善、年末時点でネットキャッシュに
過去最高業績を受け、財務体質も大きく改善した。2025年末時点の現金性資産は34兆9000億ウォンと、前年末比20兆8000億ウォン増加した。一方、借入金は22兆2000億ウォンで、前年末比4000億ウォン減少した。
借入金比率は18%に低下し、財務はネットキャッシュに転じた。キム・ウヒョン 財務部門長は、市況変動時でも安定的に事業を運営し、競争力維持に必要な設備投資を実行できる水準の現金を継続的に確保することが、財務健全性の目標だと述べた。
同社は2026年のAI市場について、学習中心の段階から推論中心へと急速に移行しているとみている。ソン社長は、コンピューティングのワークロードが高性能サーバーに集中する構造から、分散型アーキテクチャへ移りつつあると説明した。そのうえで、データの移動と保存を含めたシステム全体の効率確保が重要になり、メモリの役割は一段と高まっているとの認識を示した。
こうした変化を受け、HBMなどの高性能メモリに加え、サーバー向けDRAMやNANDを含む幅広いメモリ需要が今後も拡大すると見込む。サーバー市場については、AI推論需要の拡大を追い風に、2026年の出荷台数が10%台後半の伸びになると予想した。
一方、PCとモバイルについては、部材コストの上昇と消費マインドの悪化を背景に、短期的な出荷調整が想定されるとした。同社は、サーバー市場を中心にメモリ需要は大きく伸びているものの、業界全体の供給能力には制約があるとして、2026年のDRAM需要は20%以上、NAND需要は10%台後半の増加にとどまると予測した。
需要動向に合わせた生産能力の増強も進める。清州M15Xの生産能力を早期に最大化するほか、龍仁第1期ファブの建設を通じて、中長期の生産基盤を安定的に拡充する方針だ。
あわせて、清州P&T7と米インディアナ州の先端パッケージング工場の準備も進め、前工程から後工程までを網羅するグローバル統合生産体制を整える。2026年はM15Xの早期立ち上げに加え、1cナノDRAMと321層NANDへの先端プロセス移行も加速する。
キム部門長は、2026年のCAPEXについて、生産能力の拡大とインフラ増強に伴い、前年から大幅に増える見通しを示した。一方で、需要の可視性と投資効率を総合的に見極める投資規律は維持する考えも示した。
同社は売上高に対するCAPEX比率を30%台半ばで維持する計画だ。ソン社長は、差別化した技術競争力を基盤に持続的な業績成長を実現するとともに、将来投資、財務安定、株主還元の最適なバランスを維持すると述べた。さらに、単なる製品供給企業にとどまらず、顧客のAI性能要件を支える中核インフラパートナーとしての役割を強める方針を示した。