韓国国会の科学技術情報放送通信委員会委員長を務めるチェ・ミンヒ氏は1月29日、量子AI、量子セキュリティ、サプライチェーン、規制特例、国防分野での活用までを盛り込んだ「量子科学技術および量子産業育成に関する法律」改正案を代表発議したと明らかにした。
通称「国家量子イニシアチブ法案」とされる今回の改正案は、急速に進む量子技術を巡る環境変化に対応し、既存制度の対象範囲を広げる内容となっている。
法案ではまず、量子テストベッド、量子AI、量子セキュリティの概念を法的に定義した。そのうえで、国家量子総合計画に量子AI活用の促進策、安全性・信頼性の確保策、量子セキュリティ対策を盛り込むよう規定した。
宇宙、国防、通信、エネルギー、金融、医療、交通など、国家安全保障や国民生活に重大な影響を及ぼす分野で量子技術を活用する事業については、入札公告前に影響評価を実施するよう求めた。
産業活性化に向けては、規制改革の手続きも新設した。量子科学技術または量子産業に関わる企業が、研究開発、試験・実証、生産の各段階で必要な規制改革を科学技術情報通信部に申請できるようにし、関係行政機関には期限内に検討結果を回答するよう定めた。
あわせて、必要な場合には量子戦略委員会の審議を経て規制特例を認める内容も盛り込んだ。
技術面では、量子AIとサプライチェーンを中核に据えた。政府が量子技術とAIの融合技術開発、量子AI関連事業の活性化、倫理的な活用に向けたガイドライン整備を進められるようにし、これを担う専任機関の指定根拠も設けた。
セキュリティ面では、量子セキュリティ体制の整備を義務付け、主要情報通信基盤施設を対象に量子セキュリティ上の脅威へ対応する国家対策の策定を求めた。
中央行政機関、地方自治体、公的機関に対しては、暗号システムを段階的に量子セキュリティ対応へ移行するよう規定した。あわせて、移行を促すための技術指針の策定や費用支援の根拠も盛り込んだ。
チェ・ミンヒ氏は「量子技術は、産業競争力と国家安全保障を左右する戦略技術として位置付けられている」としたうえで、「研究開発支援にとどまっていた既存の法体系を超え、セキュリティ、AI、サプライチェーン、規制、国防分野での活用までを包含する総合的な法的基盤を整備することが、今回の改正案の狙いだ」と述べた。