欧州中央銀行(ECB) 写真=Shutterstock

欧州中央銀行(ECB)のピエロ・チポローネ理事は28日、デジタルユーロの導入について、欧州の決済主権を確保するうえで不可欠だとの認識を示した。電子商取引の拡大や地政学リスクの高まりを踏まえ、域内決済基盤の自立が急務だと訴えた。Cointelegraphはスペインメディアの報道を引用して伝えた。

チポローネ理事は、デジタルユーロについて「現金のデジタル版であり、欧州経済における決済主権を強化する中核的な要素だ」と述べた。

スペイン紙El Paisのインタビューでは、電子商取引の拡大によって決済市場が急速に変化しているほか、国際情勢の緊張も強まっていると指摘。そのうえで、欧州が独自の決済システムを持つことは戦略的に欠かせないと説明した。

さらに、域内決済が海外技術に依存する構図を避けるためにも、デジタルユーロが必要だと強調した。デジタルユーロは単なる通貨ではなく、欧州の「決済主権」を守るための取り組みだとの位置付けを示した。

また、デジタルユーロが法定通貨として認められた場合は、デジタル決済を受け入れているすべての店舗がこれを受け入れる必要があると言及した。こうした受け入れ体制の整備が、欧州の決済システムの独立性向上につながるとした。

ECBはこれまで長年にわたり、民間部門に対して汎欧州の決済ソリューション開発を促してきたものの、大きな進展はみられなかったという。チポローネ理事は、デジタルユーロがこの課題を打開する手段になり得ると述べた。

一方、オフラインのみのデジタルユーロ案については、電子商取引に対応できる欧州の決済システムが必要だとして、実効性に懐疑的な見方を示した。

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