全固体電池の実用化が先行するのか、シリコンカーボン電池が主流となるのかに注目が集まる。写真=Reve AI

PhoneArenaは27日(現地時間)、Samsungの全固体電池開発の現状と、Galaxy製品への搭載時期に関する見通しを報じた。全固体電池を搭載したGalaxyスマートフォンは現時点で登場しておらず、当面はウェアラブル機器での先行展開が有力視されている。

Samsungのスマートフォン向け全固体電池を巡る最初の観測報道が浮上したのは2017年だ。当時、韓国ヘラルドはSamsung SDI幹部の話として、「スマートフォン向け全固体電池の生産技術は1〜2年以内に成熟段階に入る」と報じた。ただ、実際の採用可否はSamsung Electronicsの判断に委ねられるとも伝えていた。

Samsung SDIは、エネルギー貯蔵システム(ESS)や再生可能エネルギー分野を手がける中で、10年以上にわたり全固体電池の研究を進めてきた。ただ、その後しばらくはスマートフォンへの適用に向けた具体的な動きは表面化しなかった。Galaxy Note10への搭載観測もあったが、実現には至らなかった。

転機となったのが、2024年9月22日に出されたSamsung Electro-Mechanicsのプレスリリースだ。同社は「ウェアラブル機器に適用可能な世界初の小型全固体電池の開発に成功した」と正式に発表した。

詳細な技術仕様は明らかにしていないものの、この電池は多様な形状に対応でき、エネルギー密度は200Wh/kg級で当時の業界最高水準とされた。Samsung Electro-Mechanicsは、この小型全固体電池をGalaxy WatchやGalaxy Ringなどのウェアラブル機器に適用し、2026年末までの量産を目指している。

一方、Donutは400Wh/kg級の全固体電池を公開しているが、小型ウェアラブル向け全固体電池の具体策は示していない。この点でSamsungの戦略は、比較的現実的なアプローチと受け止められている。

スマートフォン向け電池では、足元でシリコンカーボン電池の進化がより速い。シリコンを活用してエネルギー密度を大幅に高める技術で、理論上は最大1300Wh/kgまで可能とされる。

この分野で商用化を先行させている代表例が中国のHonorだ。HonorはMagic5 Pro、Magic6 Proに続き、比較的新しいモデルのHonor Power 2に第4世代シリコンカーボン電池を採用し、容量は10,080mAhに達した。

エネルギー密度は821Wh/kgで、Samsungの第1世代全固体電池の水準を4倍超上回る。ただ、シリコンカーボン電池は液体電解質や希少金属資源への依存が残るという制約もある。これに対し、全固体電池は長期的にみて、コストやサプライチェーンの面で優位性を持つ可能性があるとみられている。

業界では、Samsung Electronicsが早ければ2026年3月にスペイン・バルセロナで開かれる「MWC 2026」で、全固体電池を搭載したウェアラブル機器の試作機を公開する可能性があるとの見方が出ている。第1世代全固体電池の寿命は既存のリチウムイオン電池と同程度とされる一方、充電時間は数分、場合によっては数秒単位まで短縮できる可能性があるという。

Galaxy S26シリーズへの全固体電池搭載の可能性は低いとみられるが、ウェアラブル機器で量産が順調に進めば、Galaxy S27シリーズでの採用を見込む声もある。すでにDonutが全固体電池を搭載した電動バイクの量産に入っており、市場競争は一段と激しくなりそうだ。

早ければ2027年初めに、全固体電池を搭載したウェアラブル機器とスマートフォンが同時期に登場する可能性もなお残る。全固体電池技術が成熟に向かう中、次世代エネルギー貯蔵技術の主導権争いに注目が集まっている。

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