米投資リサーチ会社Fundstratの共同創業者トム・リー氏は、金と銀の上昇が一服すれば、暗号資産市場が反発に向かう可能性が高いとの見方を示した。足元では投資資金が貴金属市場に流入しており、ビットコインやイーサリアムの上値を抑えているという。
27日付のCointelegraphによると、リー氏は米CNBCの番組「Power Lunch」に出演し、ドル安や米連邦準備制度理事会(Fed)の緩和姿勢にもかかわらず暗号資産市場が上昇しきれない背景について、「市場全体でレバレッジの縮小が大きく進んだためだ」と述べた。
さらにリー氏は、「金と銀の価格上昇が続く限り、投資家の資金はFOMO(取り残されることへの恐怖)から暗号資産ではなく貴金属に向かいやすい」と語った。
実際、ここ数週間の貴金属市場では上昇基調が鮮明だ。金価格は年初来で17.5%上昇し、1オンス当たり5100ドルまで買われ、過去最高値を更新した。
銀価格も57%上昇し、1オンス当たり110ドルまで上昇した。市場では、地政学リスクの高まりや関税を巡る警戒感、ドル安などが相場を押し上げた要因とみられている。
リー氏は、暗号資産市場の低迷要因として、昨年10月10日に起きたディレバレッジ局面も挙げた。「当時は取引所やマーケットメーカーなど主要プレーヤーが大きな打撃を受け、その影響で市場回復が遅れている」と説明する一方、「暗号資産のファンダメンタルズ自体は以前より大きく改善している」と評価した。
もっとも、その改善はなおビットコイン価格に十分反映されていない。ビットコインは現在、10月の高値から約30%下落した水準にあり、9万5000ドルを明確に上抜けられないまま、8万6000ドル前後で推移している。
一方で、リー氏はイーサリアムについては相対的に強気の見方を維持した。リー氏が関与するイーサリアム投資会社BitMineは、直近で5800万ドル相当のイーサリアムを追加購入したとされる。
オンチェーンデータ分析会社Lookonchainによると、BitMineはイーサリアム保有を継続的に積み増している。リー氏はこれまでもダボス会議で、「金融機関がイーサリアムとスマート・ブロックチェーン基盤技術を積極的に導入する」との見通しを示していた。
ただ、市場には慎重な見方もある。CryptoQuantのアナリスト、GugaOnChain氏はETFの資金フローを根拠に、「投資家は依然として暗号資産より金を選好している」と指摘。「ビットコインが本格上昇に向かうには、ドル安が恐怖による逃避ではなく、リスク資産選好の局面で進む必要がある」と分析した。