米電動自転車ブランドのRad Power Bikesが、破産手続きの一環として実施した資産競売で、Life Electric Vehicle Holdings, Inc.を優先落札者に選定した。売却額は最大1320万ドル。ただ、取引の成立には破産裁判所の承認が必要で、最終確定には至っていない。Electrekが1月27日(現地時間)に報じた。
Rad Power Bikesは先週、特定資産を対象とする競売を実施し、優先落札者と予備入札者を選んだ。同社の広報担当者は、提示された取引はいずれも裁判所の承認が前提であり、現時点では確定していないと説明している。
裁判所に提出された破産関連書類によると、1月22日の競売は800万ドルから始まり、入札を経て売却額は最大1320万ドルとなった。優先落札者には、米マイクロモビリティ企業のLife Electric Vehicle Holdings, Inc.が選ばれた。
競売には計5社が参加した。電動自転車ブランドのRetrospecは1300万ドルを提示し、予備入札者となった。一次取引が不成立となった場合は、次順位で交渉権を持つ。
Life Electric Vehicle Holdingsは、LEV分野の開発、製造、流通を手がける企業。過去にはHarley-Davidsonの電動自転車ブランド「Serial 1」を買収した経緯がある。
一方で業界内には、同社がブランド買収後に販売や生産をどの程度維持しているのかを疑問視する見方もある。現在は一部モデルで長期の欠品が続いており、販売継続の実態は判然としないという。
同社のWebサイトによると、Life Electric Vehicle Holdingsは上場後、電動自転車ブランドの買収と統合を軸に事業を拡大している。米マイクロモビリティ市場のリーダーを目指し、電動自転車、電動トライク、電動スクーター、軽量電動車両のブランドを立ち上げるほか、買収と統合も進めているとしている。
今回の取引も、最終的には破産裁判所の判断に委ねられる。買収後にRad Power Bikesのブランドや事業体制がどこまで維持されるかは見通せず、ブランド縮小や製品ラインアップの見直し、運営体制の変更に踏み切る可能性もある。
今回の売却額は、Rad Power Bikesが2021年末に約16億5000万ドルの企業価値評価で大型資金調達を実施した時期と比べると大幅に低い水準だ。北米有数のD2C電動自転車ブランドとされた同社の失速は、コロナ禍後の需要鈍化や在庫負担、資金調達環境の悪化に直面する電動自転車業界全体の低迷を映す事例といえそうだ。