LG Uplusは1月28日、2025年にボイスフィッシング被害のおそれがあった顧客3万人超の被害防止につなげたと発表した。
同社は、AIを活用した社内外データの統合分析基盤「顧客被害防止分析システム」を通じ、2025年からボイスフィッシングやスミッシングの犯罪組織が運用する悪性アプリの制御サーバーを追跡している。同社によると、こうした取り組みは国内通信事業者で唯一という。
悪性アプリがスマートフォンにインストールされると、犯罪組織は制御サーバーを通じて端末の着信を遮断できる。さらに、犯罪組織からの発信を警察や検察からの電話であるかのように表示させたり、被害者が通報しても通話が犯罪組織側につながるよう操作したりするという。
LG Uplusは2025年2月から年末まで、同システム内の制御サーバー追跡ソリューションを本格運用し、制御サーバー約800件を追跡・分析した。悪性アプリのインストールによって当該サーバーへの接続履歴が確認された顧客は約3万3000人に上り、関連情報を警察に提供した。
警察は提供された情報を基に分析を進め、被害が疑われる顧客の自宅を直接訪問するなどして対応した。警察庁が把握した2025年のボイスフィッシング被害額は、被害者1人当たり約5384万ウォン。LG Uplusが確認した約3万3000人について、同社は被害防止額が単純計算で1兆8000億ウォンに相当するとみている。
追加の安全対策として、顧客端末で悪性アプリのインストールが確認された場合、直ちにKakaoTalkで通知メッセージを送る仕組みも導入した。
2025年6月末から6カ月間に送った通知により、約1万8000人の顧客がボイスフィッシング被害のリスクを把握できたとしている。通知を受けた顧客は、最寄りの警察署の警察官や、全国約1800カ所のLG Uplus店舗でセキュリティ専門相談員の支援を受けられる。
また同社は2025年、ネットワーク上で悪性アプリによる接続約2億2000万件を遮断した。あわせて、スミッシングURLの流通経路となるスパムSMSも約5億4000万件遮断したという。
2026年は、ボイスフィッシングやスミッシング、スパムSMS対策など対応全般でAI活用を拡大する方針だ。悪性URLの分析強化に向け、新たなソリューションの導入・構築も進める。