写真=キム・ウソン氏(ITCEN Cloit代表)

ITCENグループ傘下でクラウドマネージドサービスを手掛けるITCEN Cloitは1月27日、AIエージェント基盤「AgentGo 2026」を発表した。閉域網からパブリッククラウドまで対応し、統合ガバナンスや運用・セキュリティ機能を前面に打ち出す。金融・公共分野を中心に、オンプレミス需要の取り込みを狙う。

同日開いた記者懇談会で、キム・ウソン代表は「顧客のアプリケーション環境を深く理解することに注力しながらクラウド事業を進めてきた。その過程で、データを基にAIをどこにどう活用すべきかという知見を蓄積してきた」と説明した。そのうえで「AIを多用するのではなく、うまく使えるソリューションを提供する」と述べた。

同社によると、AgentGo 2026はAIエージェントの活用から開発・構築、運用管理までを支援するプラットフォームだ。閉域網環境からパブリッククラウドまで、さまざまなインフラ上で導入できる。集中管理と統合ガバナンス機能を備え、企業がAIを基幹業務プロセスに組み込めるようにするという。

機能面では、分散した個別エージェントを一元管理する「Multi-Agent Management」と、検証済みエージェントを権限に応じて自動検知し実行する「Multi-Agent Orchestration」エンジンを搭載した。モジュール構成により、柔軟性と実用性、セキュリティを両立させたとしている。

構成モジュールのうち「Management」は、ユーザーや部門ごとの権限管理に加え、エージェントの接続状況やデータフローをリアルタイムで監視し、セキュリティ上の死角を減らす機能を担う。「Guard」は企業のセキュリティポリシーを優先適用し、データ流出やデータバイアス、ハルシネーションの抑制を図るとしている。

国内外でAIエージェントプラットフォームを掲げるソリューションが相次いで登場するなか、同社は、AgentGo 2026のように運用とセキュリティを基盤に据えた製品はまだ多くないとして、差別化に自信を示した。

キム代表は「多くのAIエージェントソリューションは、Builderなどの開発機能を起点にオーケストレーションへ拡張してきた。これに対しAgentGo 2026は、インフラ、Management、Guard(セキュリティ)を土台にプラットフォームを構築し、その上でエージェントが動く構造だ」と強調した。

同社によると、AgentGo 2026にはITCEN Cloitが提供する10種類のAIエージェントも含まれる。導入後すぐに使えるエージェントとして「規定検索」「Web検索」「文書要約」「ニュースクリッピング」を用意した。顧客環境に応じたカスタマイズを前提とする基本エージェントとしては、「メール管理」「日程管理」「社員照会」を提供する。対応エージェントは今後も拡充する方針で、企業がAgentGo 2026上で自社開発したAIエージェントを共有できるマーケットプレイス機能も年内に投入する予定だ。

キム代表は「人手による作業を大幅に減らし、ROIが確認できるエージェントを提供する。必要なものだけをそろえた」と述べた。さらに「ITCENグループの社員約3000人もこれらのAIエージェントを利用しており、実際に業務時間を大きく短縮している」と説明した。

ROIについては、AIエージェント単体で評価すべきではないとの考えも示した。エージェント自体の開発コストは決定的な要素ではなく、導入効果を左右するのは運用とセキュリティだというのが同氏の説明だ。

ITCEN Cloitは今後、AgentGo 2026を軸に金融と公共市場の開拓に注力する。あわせて建設業界や大学市場も視野に入れる。クラウド基盤よりもオンプレミス型プラットフォームの需要が強いとみており、オンプレミス市場の攻略を加速する構えだ。

キム代表は「組織では内部データの活用が不可欠であり、セキュリティ上の理由からオンプレミスを好む傾向が強い。大規模言語モデル(LLM)のAPIを呼び出して社内で活用するケースも含め、オンプレミス基盤の導入事例は増えている」と述べた。

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