YouTuberなど、いわゆる「サイバーレッカー」による虚偽情報の拡散被害を救済するため、オンライン情報も言論仲裁委員会の調整・仲裁対象に加える法案が提出された。
与党「国民の力」のキム・ジャンギョム議員は27日、こうした内容を盛り込んだ「言論仲裁法改正案」を代表発議したと明らかにした。法案は「サイバーレッカー被害救済法」と位置付けられている。
改正案の柱は、これまで報道に限られていた言論仲裁委員会の調整・仲裁対象を、拡散力の高いオンライン情報にも広げる点にある。
改正案によると、被害者はオンライン情報の掲載者に対し、訂正や反論、補足情報の掲載を請求できる。あわせて、言論仲裁委員会に調整・仲裁を申し立てることも可能にする。調整がまとまらず民事訴訟に移る場合は、ほかの裁判に優先して3カ月以内に判決を言い渡すよう定め、迅速な救済を図る。
対象となるのは、登録者数や閲覧数、収益などが一定基準を上回る情報提供者が投稿したコンテンツ、または共有回数が多いなど拡散力の高い情報だ。議員室は、一般利用者の表現の自由を侵害しないよう適用範囲を設計したと説明している。
キム議員が警察庁から提出を受けた資料によると、オンライン上の名誉毀損と侮辱に関する犯罪は、2014年の8880件から2023年には2万9258件に増加した。この10年で約230%増えた計算になる。
キム議員は「YouTuberを報道機関とみなすべきかを巡る議論が続く間、被害者は制度の空白地帯に置かれてきた」としたうえで、「懲罰的損害賠償のような極端な対立よりも、対話と妥協による調整手続きを整えることが憲法の精神に合致する」と強調した。