Teslaのハードウェア更新を巡る動きが注目されている。写真=Reve AI

Teslaが、FSD向けの新型コンピュータとみられる「AI4.5」をModel Yに搭載し始めた可能性が浮上した。車両情報上で新たな表記が確認されており、投入が遅れている次世代チップ「AI5」までの橋渡し役になるとの見方も出ている。

米EV専門メディアのElectrekが1月26日(現地時間)に報じたところによると、フリーモント工場で生産されたModel Yの一部で、新しいAutopilot用コンピュータの搭載を示す表示が確認された。車両情報には「AP4.5」または「AP45」と表示され、Teslaの電子部品カタログに登録された新たなFSDコンピュータの部品番号とも一致したという。Teslaは現時点で公式発表していない。

Xでは、Model Yオーナーのエリック・スン氏(@Eric5un)が、フリーモント工場製の2026年型Model Y AWDを受け取った際、新しいフロントカメラハウジングと「AP45」と表示されたAutopilot用コンピュータを確認したと投稿した。その後、ほかのオーナーからも同様の報告が上がっている。

この動きは、Teslaのハッキングやファームウェア解析コミュニティでも注目を集めている。著名な解析者として知られるグリーン・ジ・オンリー氏(@greentheonly)は、Teslaのソフトウェアコード内で新しい車載コンピュータ関連の更新を確認したと明らかにした。同氏によれば、AI4.5は従来のHW4で採用されていたデュアルSoC構成ではなく、3基のSoCを備える可能性があるという。

3チップ構成が事実であれば、演算性能や冗長性の強化を狙った設計である可能性が高い。同時に、次世代のAI5へ移行するまでの中間世代、あるいは橋渡し的な位置付けとみることもできる。Teslaは過去にも、HW2からHW2.5への移行を公式発表なしに進め、補助プロセッサを追加した例がある。

今回のAI4.5観測が注目される背景には、AI5の投入遅延がある。イーロン・マスクCEOはこれまで、AI5について従来の約10倍の性能を持ち、2025年下半期の車両に適用すると説明していた。しかし、その後スケジュールは2027年半ばへ後ろ倒しされた。業界では、AI5の量産立ち上がりまで少なくとも1年超の空白が生じるとの見方があり、AI4.5はその間を埋める措置と受け止められている。

一方で、最近HW4ベースの車両を購入したユーザーや購入を検討する層の間では、不安もくすぶる。マスク氏はHW4で監視なしの自動運転が可能になると主張してきたが、過去にはHW3でも同様の説明が十分に実現しなかった経緯があるためだ。TeslaはHW3搭載車についてコンピュータ交換が必要になると認めたものの、具体的なアップグレード計画は示していない。

市場では、AI4.5の登場はTeslaのFSD開発が既存ハードウェアの進化を先回りしていることを示す一方、AI5開発の遅れが表面化したサインでもあると受け止められている。ハードウェア更新の繰り返しと過去の説明とのずれを踏まえると、Tesla車の購入判断では、将来の自動運転機能よりも現時点での車両の完成度を重視すべきだとの見方も出ている。

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