ディスプレイ大手2社の2025年10〜12月期業績は、明暗が分かれる見通しだ。Samsung Displayは中小型OLEDの出荷拡大を追い風に営業利益2兆ウォンが視野に入る一方、LG Displayは構造改革に伴う費用負担が重く、市場予想を下回る可能性がある。
キウム証券によると、Samsung Displayの2025年10〜12月期の営業利益は1兆6370億ウォンと、前四半期比34%増となる見通しだ。営業利益率は18%に達するとみている。
一方、IBK投資証券はLG Displayの同期間の営業利益を3200億ウォンと推計した。一時費用を除いたベースの営業利益率は4.6%で、Samsung Displayとの差は13ポイント超に広がるとみている。
両社の収益力の差は、事業構造の違いが大きい。Samsung Displayはスマートフォン向け中小型OLEDが業績を押し上げた。キウム証券は、10〜12月期の中小型OLED売上高が8兆2770億ウォンとなり、前四半期の7兆3350億ウォンから13%増えたと分析している。
背景には、北米顧客向け新製品の投入効果が10〜12月期まで続き、出荷増につながったことがある。
加えて、収益性の高い中小型OLEDに軸足を置いた事業構成への転換も寄与した。キウム証券によると、大型OLEDの10〜12月期売上高は5920億ウォンで、前四半期の4050億ウォンから46%増加した。
もっとも、全売上高に占める大型OLEDの比率は6%にとどまる。中小型OLEDは全売上高の89%を占め、収益性改善をけん引した。
これに対し、LG Displayは構造改革費用が利益を圧迫した。IBK投資証券は、10〜12月期の営業利益が従来予想の4450億ウォンを28%下回るとの見方を示した。
第3四半期に続き第4四半期も構造改革を進めたことで、約1000億ウォンの一時費用が計上されたためという。
LG Displayは事業ポートフォリオの見直しを進めている。LCDテレビ事業の売却を終え、IT向けLCDについても低収益モデルの終了を進めている。
IBK投資証券によると、10〜12月期のモバイル部門売上高は3兆1680億ウォンで、全社売上高の45%を占めた。P-OLEDを軸とする収益体質改善の効果が表れたとしている。
【2026年は両社とも改善へ】
10〜12月期の着地には差が出る見込みだが、2026年の見通しは両社とも前向きだ。Samsung Displayは四半期ごとの業績変動が大きくなるものの、中小型OLEDでの優位を維持するとの見方が出ている。
キウム証券は、Samsung Displayの2026年1〜3月期営業利益が4240億ウォンと前四半期から大きく減る一方、10〜12月期には1兆2390億ウォンまで回復すると予想した。2026年も2025年に続き、中小型OLED市場での支配力を維持すると分析している。
LG Displayについても、ターンアラウンドが本格化するとの見方が出ている。IBK投資証券は、2026年から上期の赤字傾向を脱する可能性があると分析した。
これまで上期はLCD事業の赤字影響を受けやすかったが、LCDテレビ事業の売却とIT向けLCDの低収益モデル終了の効果が今後本格化するためだと説明している。2026年1〜3月期の営業利益は1090億ウォンと、前年同期比227%増を見込む。
技術面でも、LG Displayに追い風となる環境が整いつつある。IBK投資証券は、中国パネルメーカーがLTPO(低温多結晶酸化物)で歩留まり確保に苦戦していることから、LG Displayの技術競争力が改めて注目されていると指摘した。
LTPOはリフレッシュレートを可変制御し、消費電力を抑える技術で、ハイエンドスマートフォンでは重要な要素とされる。中国勢の歩留まり問題が続くなか、北米顧客向けのモバイルおよびITパネルにおけるLG Displayのシェアは堅調に維持されると予想した。