写真=LG Energy Solution。研究員がFRLで全固体電池の実験を進める様子。

LG Energy Solutionは3月5日、硫黄を正極材料に用いた全固体電池で高容量化を確認したと発表した。シカゴ大学のシャーリー・メン教授の研究チームとの共同研究成果で、2月27日付で国際学術誌「Nature Communications」に掲載された。

硫黄は、理論容量が1675mAh/gと高く、材料コストも低いことから、次世代正極材料の有力候補とみられてきた。ただ、液体電解質を用いる環境では、充放電の過程で硫黄化合物が電解質中に溶け出す「ポリサルファイド溶出」が起きやすく、寿命や安定性の確保が難しい点が実用化の課題となっていた。

今回の共同研究では、液体電解質の代わりに固体電解質を採用した全固体電池構造を適用。ポリサルファイド溶出を抑え、1500mAh/g級の容量と安定した寿命特性を確認したという。こうした性能はコインセルに加え、パウチ型セルでも確認された。

この成果は、LG Energy SolutionがUCサンディエゴとシカゴ大学プリツカー分子工学大学院と共同運営するFRLで得られた研究結果だという。

研究を主導したシャーリー・メン教授は、InterBattery 2026「The Battery Conference」の講演者として参加し、全固体電池や次世代電池技術の開発の方向性を示す予定だ。

LG Energy Solutionは、「硫黄正極の適用により、従来のリチウムイオン電池を上回るエネルギー容量の可能性を確認できた点に意義がある」とコメント。その上で、「産学連携を基盤に、安全性、エネルギー密度、コスト競争力を同時に確保しながら、次世代電池技術を継続的に拡大していく」としている。

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