写真=聯合ニュース

金融当局が、多戸保有者に対する住宅ローン満期延長の慣行見直しを進めるなか、規制対象を非居住の1戸保有者にも広げる案が浮上している。大統領が投資・投機目的の1戸保有にも言及したことで、金融規制に加え、税制面を含む追加対策に関心が集まっている。

金融業界によると、金融委員会は3日、クォン・デヨン副委員長の主宰で「多戸保有者の貸出延長慣行改善」に向けた第4回点検会議を開いた。金融当局は全金融業界を対象に実態調査を実施し、保有住宅数別の住宅担保ローン残高、先順位・後順位別残高、残存期間別の状況、住宅類型・地域別の満期到来額(2026年上半期・下半期)などを集計した。こうしたデータを基に、具体的な規制設計の検討を本格化させている。

足元の議論は、首都圏や規制地域内の多戸保有者、賃貸事業者に集中している。既存ローンについても、満期延長時に新規貸し出しと同様、担保認定比率(LTV)0%を適用し、事実上、全額返済を促す案が有力視されている。

議論が広がるきっかけとなったのは、イ・ジェミョン大統領の公開発言だ。イ大統領はX(旧Twitter)で、政策手段を総動員し、多戸保有者だけでなく、実際には住んでいない投資・投機目的の1戸保有者についても、保有より売却が有利となる環境をつくる考えを示した。超高額住宅については、先進国の首都水準に見合う負担と規制を課すとも述べた。

そのうえで、各種規制と負担については、実需の1戸保有を基本としつつ、居住の有無、保有戸数、住宅価格水準、地域特性に応じてきめ細かく差を設ける方針を強調した。

これを受け、金融当局は、多戸保有者に対する住宅ローン満期延長制限を、非居住の1戸保有者にまで拡大する案を議論している。昨年の9・7対策で1戸保有者のチョンセ融資限度を2億ウォンに制限し、10・15対策で総負債元利金返済比率(DSR)を適用したのに続き、貸出限度をさらに引き下げる案も取り沙汰されている。

もともとギャップ投資の抑制を狙って導入された規制を、非居住の高額1戸保有者にも広げる流れだ。金融業界では、融資審査の段階で居住実態を確認する手続きが新たに導入される可能性も指摘されている。金融監督院は、非居住の賃貸事業者が保有する規制地域内のマンションなどについても、貸出状況を確認したと伝えられている。

◆投機向けと実需向けの線引き整備へ 銀行の意見集約

銀行に対する健全性規制も並行して進む可能性がある。金融委員会は今年から住宅担保ローンのリスク加重資産(RWA)を15%から20%へ引き上げており、さらに25%まで引き上げる案も検討している。

リスクウエートが5ポイント上昇すれば、同じ貸出規模でも銀行の自己資本負担は増す。このため、貸し出し抑制につながり、借り手の返済能力審査も一段と厳しくなるとの見方が出ている。

税制面では、公示価格の現実化率の調整や、公正市場価額比率の再引き上げを通じた保有税強化の可能性が市場で取り沙汰されている。1戸保有者に対する譲渡所得税の非課税基準(現在12億ウォン)の見直しも論点に上っている。

もっとも、今年1月時点のソウルのマンション平均売買価格は15億2162万ウォンに達している。このため、非課税基準を引き下げた場合、課税対象がソウル全域に広がりかねないとの懸念もある。一般的な1戸保有者にも課税が及び、市場の混乱を招く恐れがあるためだ。このため、市場への衝撃を抑える観点から、価格帯ごとに差を設けて適用する案が併せて検討される可能性もある。

業界では、「非居住」や「投機目的」の判断基準を精緻に設計しなければ、市場のゆがみや租税抵抗を招きかねないとの指摘が出ている。金融当局は、投機向けローンと実需向けローンの区分基準を整備するため、銀行の現場意見を集約する方針だ。多戸保有者中心だった貸出規制の軸が、非居住の1戸保有者にまで広がるかどうかが、最終案の焦点となる。

金融業界関係者は「政策の趣旨には共感するが、実需と投機需要を分ける基準が明確でなければ、現場の混乱は収まらない」と話した。

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