国際的な資金洗浄対策の枠組みを担うFATF(金融活動作業部会)は、新たな報告書で、P2Pのステーブルコイン取引やセルフカストディウォレットが規制の網が及びにくい領域になっていると指摘し、監視強化の必要性を訴えた。Cointelegraphが3月4日(現地時間)、報じた。
FATFは、ステーブルコインの利用が金融取引や決済、越境送金など幅広い分野に広がるのに伴い、マネーロンダリング対策(AML)規制を回避するリスクも高まっていると警告した。
特にP2P取引については、規制下の仲介業者を介さず、利用者同士が直接やり取りできるため、当局による把握や監視が難しくなると分析した。
報告書では、セルフカストディウォレットを使った取引のうち、規制対象プラットフォームと接点を持つケースについてモニタリングを強化すべきだと指摘。あわせて、ステーブルコインの発行体や流通に関わる事業者に対し、AML上の義務を明確に課す必要があると強調した。
またFATFは、パブリックブロックチェーンでは取引履歴を追跡できる一方、ウォレットアドレスは実名と直接ひも付かないため、実効性のある監視には限界があるとも指摘した。
ブロックチェーン分析企業のChainalysisによると、2025年に不正関連の暗号資産アドレスへ流入した資金は少なくとも1540億ドル(約23兆1000億円)に上り、このうち84%をステーブルコイン経由の取引が占めた。
Chainalysisは、不正取引の規模は暗号資産市場全体の取引量の1%未満にとどまるとしている。一方、FATFは、不正取引におけるステーブルコインの比重が高まっている点を問題視している。