ビットコイン(BTC)が約6万8900ドルで推移するなか、初期投資のリターンがあらためて注目を集めている。2010年半ばに1000ドルを投じていた場合、現在の資産価値は約8億6125万ドルに達する計算だ。
BeInCryptoによると、2010年半ばのビットコイン価格は1BTC当たり約0.08ドルだった。この水準で1000ドルを投資していれば、取得できたビットコインは約1万2500BTCとなる。
これを足元の価格水準である約6万8900ドルで換算すると、評価額は約8億6125万ドルとなる。1000ドルが8億ドル超に膨らんだ計算で、金融市場でもまれなリターンといえる。
仮に取得時の価格が0.3ドルだったとしても、同じ条件なら現在価値は2億ドルを上回る。長期保有による収益の大きさが改めて浮き彫りになった。
こうした上昇を受け、市場ではビットコイン創設者サトシ・ナカモトの推定保有資産にも関心が集まっている。ブロックチェーン研究者の間では、サトシが初期に60万〜110万BTCを採掘したとの見方がある。
その根拠の一つが、研究者セルジオ・デミアン・レルナーが分析した「Patoshi Pattern」だ。初期ブロックに見られる特徴的な採掘パターンを基に、特定の採掘分を識別したとされる。
現在の相場を当てはめれば、サトシの保有資産は世界有数の富豪に並ぶ規模となる可能性がある。2010年当時は数万ドル規模にとどまっていた可能性のある保有分が、現在では天文学的な価値を持つとの見方もある。
最近では、ビットコインのジェネシスアドレスに約2.56BTCが送金され、サトシの保有分を巡る関心が再燃した。ジェネシスブロックは最初のブロックだが、このブロックの本来の報酬である50BTCは技術的に使用できないとされている。
Cardano創業者のチャールズ・ホスキンソンは過去、このコインベース取引はグローバルな取引データベースに含まれておらず、アクセスできないと説明していた。
研究者の間では、サトシが2万件超の初期採掘アドレスを管理していた可能性も指摘されている。これらのアドレスの相当数は50BTCを保有したままで、一度も移動していないとの報告もある。
市場では、サトシのコインが実際に動いた場合、象徴面と投資家心理の両面で影響が大きいとの見方が出ている。10年以上にわたって休眠状態が続いていることから、秘密鍵を失ったとの説や、意図的に沈黙を保っているとの説まで、さまざまな憶測を呼んできた。
現在価値ベースでみると、サトシの保有分は金融史上でも最大級の休眠資産の一つとされる。
もっとも、ビットコインの値動きは一貫して順調だったわけではない。2010年以降、70%を超える急落を複数回経験し、取引所の破綻や規制リスク、マクロ経済の混乱にも見舞われてきた。
それでも長期でみれば、価格は指数関数的な上昇を記録した。制度面の後押しや安定した取引インフラが十分でない時期の1000ドル投資が、結果として象徴的な事例になった形だ。
投資家はCoinCodexなどのプラットフォームが提供する収益計算ツールを使い、特定時点の投資収益率を試算できる。過去の任意の時点で1000ドルを投じた場合の現在価値の比較や、将来の価格シナリオに基づく潜在収益のシミュレーションも可能だ。
ただ、過去のパフォーマンスが将来の収益を保証するわけではない。ビットコインは依然として高いボラティリティーと不確実性を抱える資産であることに変わりはない。
BeInCryptoは、金融史の中でも1000ドルが10億ドル近い水準まで増えた例は極めて少ないと指摘した。そのうえで、ビットコインの上昇は、初期段階での採用と長期保有が大きな非対称リターンを生み得ることを示す代表例だと評価している。