Samsung Electronicsは3月4日、米国の5G事業を巡って下請け企業に対する「優越的地位の乱用」があったとして、公正取引委員会が調査に着手したとの報道について、申告内容を全面的に否定する声明を出した。
報道によると、公正取引委員会は、Samsung Electronicsが米国で下請け企業A社に不当な発注停止を行ったとの申告を受け、昨年末に調査を始めた。A社は、韓国の中小ケーブルメーカーが米国に設立した現地法人とされる。
報道では、Samsung Electronicsが2019年にA社を米国5G事業向け通信機器用ケーブルの主要サプライヤーとして承認し、下請け契約を締結した後、需要拡大を背景に納期の前倒しを求めたとしている。焦点の一つは、この過程でA社に工場移転を強いたかどうかにある。
A社は実際、2021年初めにカリフォルニア州アーバインの工場をテキサス州ダラスへ移転した。
これに対しSamsung Electronicsは、「記事で言及されたA社との取引で、工場移転を強要した事実は全くない」と反論した。ケーブルは複数の企業から調達しており、A社に移転を求める必要はなかったとしている。
また、「A社に設備投資を求めた事実もない。契約締結前には品質基準に基づく評価を実施しており、A社が自らの判断で工場改善に向けた投資を行った」と説明した。
報道ではさらに、Samsung Electronicsが2021年6月に「Verizonが5G機器に使用するケーブルの仕様を変更した」とA社に通知し、その後、発注量を段階的に減らしたと指摘。A社向けの発注額は、工場移転直前の2020年下半期の520万ドルから、2022年下半期には56万ドルへと約9割減少したとしている。
その後、2023年4月に発注が止まり、A社の米国法人は経営難に陥った末、同年12月に破産したという。
これについてSamsung Electronicsは、「A社向け発注量が減ったのは、顧客からの注文がなかったために過ぎず、不当な発注打ち切りではない」と反論した。発注分の代金支払いもすべて完了しているとしている。
Samsung Electronicsは「法令順守と協力会社との共存共栄のために最善を尽くしてきた。法令違反の事実は全くない」と強調。その上で、「A社側の主張は自社の立場に基づく一方的なもので、事実関係と食い違っている」と述べた。