写真=Reve AI。デイビッド・ベイリー氏は、ビットコインの長期的な成長に政府支援は必須ではないとしつつ、制度整備の必要性を指摘した。

元トランプ政権で暗号資産顧問を務めたデイビッド・ベイリー氏は、米国によるビットコイン支持の表明だけでは不十分で、戦略的ビットコイン準備金の運用実態や保有量の透明化、規制枠組みの整備が欠かせないとの認識を示した。

Cointelegraphが3月4日(現地時間)に報じたところによると、ベイリー氏はニューヨークで開かれた「Bitcoin Investor Week」の会場で、「結局のところ、ビットコインを支持すると語るだけでは足りない」と述べた。発言の模様はイベント後にYouTubeで公開された。

ベイリー氏は現在、ビットコインのカストディ企業KindlyMDでCEO兼会長を務める。同氏は、トランプ政権が重要な第一歩を踏み出したことは評価しつつも、政策を実行段階に移すにはなお時間がかかると指摘した。

同氏は「トランプ政権は極めて重要な出発点だったが、言葉だけでなく実行面でも、さらに前進する必要がある」と強調した。

トランプ氏は大統領選の遊説期間中、ビットコインと暗号資産業界への支持を繰り返し打ち出してきた。2025年3月には、戦略的ビットコイン準備金に関する行政命令にも署名した。

ただ、米政府はこれまでのところ、犯罪捜査で押収した分を除き、ビットコインを新たに積極購入してはいないとみられている。

ベイリー氏は「行政命令から1年が経過したが、戦略的ビットコイン準備金が実際にどう運用されているのかは明らかになっていない」と述べたうえで、「米国が正確にどれだけのビットコインを保有しているのかも不透明だ」と語った。

ブロックチェーン分析会社Arkham Researchは、米政府の保有量を約37万8372BTCと推計している。

行政命令から2カ月後、ホワイトハウスのAI・暗号資産担当責任者を務めるデイビッド・サックス氏は、増税や国債残高の拡大を伴わない財政中立的な形で資金を確保できるなら、追加購入は可能だとの見方を示していた。一方で、実際の積み増しは容易ではないとも付け加えている。

米国による追加購入を巡っては、市場の見方も分かれているが、強気の見通しを維持する向きもある。

Galaxy Digitalの調査部門トップ、アレックス・ソン氏は昨年9月、2025年末までに意味のある進展が生じる可能性はなお大きいと評価していた。

ベイリー氏は、トランプ氏が暗号資産に友好的な立場を公然と打ち出した最初の主要政治家だと評価する一方、それだけでビットコイン価格が100万ドルに達するのは難しいとの見方も示した。

同氏は「ビットコインを好むと言うだけでは、実現に必要な政治資本を投じたことにはならない」と述べた。

もっとも、米政府の対応の有無にかかわらず、ビットコインは最終的に成功するとの見方も示した。「ビットコインの成功に政府の支援が不可欠というわけではない」としたうえで、「4年後でも、10年後でも、20年後でも、最終的にはビットコインに友好的なルールを整える政府が現れる」と語った。

さらに「前進を続けるには、毎年より多くの人々、より多くの有権者がビットコインを保有するようにならなければならない。これは避けられない流れだ」と付け加えた。

市場環境はなお不安定だ。CoinMarketCapによると、ビットコインは現在約6万8220ドルで推移しており、昨年10月に付けた最高値12万6000ドルを約45%下回る水準にある。

市場では、戦略的ビットコイン準備金の行方に加え、暗号資産業界により明確な規制の枠組みを示す「デジタル資産市場透明性法案(CLARITY)」の審議動向にも関心が集まっている。トランプ氏も最近、自身のSNSで「米国は可能な限り早く市場構造を改善しなければならない」と投稿し、制度整備の必要性に言及した。

ビットコインの長期的な成長が政府政策に左右されるのか、それとも市場主導の普及で決まるのかを巡る議論は続いている。ただ、業界内では、時間を要しても制度面での受け皿整備は避けられないとの見方が根強い。

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