金融監督院のイ・チャンジン院長は3月4日、主要貯蓄銀行の最高経営責任者(CEO)らとの懇談会で、地域金融と庶民向け金融の支援強化を要請するとともに、内部統制の整備を通じた責任ある健全経営を求めた。
金融監督院によると、懇談会は同日午前10時、ソウル市麻浦区の貯蓄銀行中央会18階会議室で開かれた。会合には貯蓄銀行中央会長のほか、主要貯蓄銀行10社のCEO、金融監督院の中小金融部門の副院長補、中小金融監督局長、中小金融検査第1局長らが出席した。
会合では、2026年の貯蓄銀行業界の懸案と今後の発展方向を議論し、業界側の要望も聞き取った。
イ・チャンジン院長は、ここ数年にわたる健全性悪化の局面でも業界が自助努力を重ねてきた点を評価し、足元では回復の兆しも見られるとした。その上で、庶民や中小企業、地域経済を支える「心強いパートナー」として、貯蓄銀行が本来の役割に立ち返るべき時期だと強調した。
まず、共生・包摂金融の役割を一段と強化するよう求めた。地域密着型の金融機関として、借り手の将来の成長性を見極める仕組みを定着させ、地域の小規模事業者や中小企業への円滑な資金供給に取り組むべきだとした。中長期的には、地域経済と貯蓄銀行がともに成長する共生モデルの構築と定着に力を入れる必要があると述べた。
また、現場を起点とした金融消費者保護の徹底も促した。主な利用者である庶民や中小企業の目線に立ち、商品や制度を分かりやすく案内することで、金融情報へのアクセス向上と利用者の選択を後押しするなど、営業現場での実質的な変化が必要だと指摘した。あわせて、中金利融資の活性化や融資募集手数料の合理化を通じ、庶民の金利負担の軽減を主導するよう求めた。
健全経営と内部統制の強化も主要課題として挙げた。今年、貯蓄銀行業界に導入される責務構造図を契機に、各社の事業構造や規模に応じた内部統制体制を整え、責任経営の基盤を築く必要があるとした。さらに、十分な貸倒引当金の積み増しと資本拡充を通じ、外部環境の変化に耐え得る健全経営体制を確立すべきだと重ねて強調した。
出席した貯蓄銀行のCEOらは、地域金融機関、庶民向け金融機関としての社会的期待と役割に共感を示し、責任ある業務運営と役割拡大を継続していく考えを示した。一方で、地域経済の減速や健全性管理負担の拡大で経営環境は厳しさを増しているとして、本来の役割を果たしながら安定的に事業運営できるよう、金融当局の政策的支援を要請した。
これに対しイ・チャンジン院長は、懇談会で示された意見を丁寧に検討し、現場の課題解消に向けて必要な支援を行う考えを示した。その上で、貯蓄銀行が地域と庶民に寄り添う金融の中核として役割を果たすことに期待を示した。