写真=「Semiconductor Expo 2025」でSK hynixが展示したHBM4

3月の半導体業界は、主要イベントが相次ぐ。NVIDIAの開発者会議「GTC 2026」、中国の全国人民代表大会(全人代)、Samsung ElectronicsとSK hynixの定時株主総会に加え、四半期末のメモリ固定取引価格の動向も重なる。HBM需要の先行きと、DRAM・NAND市況の方向感を占う重要局面になりそうだ。

最初の注目材料は、16〜19日に米サンノゼで開かれるNVIDIAの「GTC 2026」だ。ジェンスン・フアンCEOが予告してきた次世代AIチップ「Feynman」を披露するかどうかが最大の焦点となる。

FeynmanにはTSMCの1ナノ級プロセス採用観測が出ている。下期に量産予定の「Vera Rubin」GPUについても、具体的な仕様が示される可能性がある。NVIDIAの次世代チップのロードマップはHBM搭載量に直結するため、韓国勢メモリ大手の受注機会を見極めるうえで重要な手掛かりとなる。

Samsung ElectronicsとSK hynixもGTCで次世代メモリ技術を打ち出す見通しだ。業界によると、Samsung ElectronicsはHBM4、HBM4E、SOCAMM2などを公開する見込み。SK hynixは、HBM4が大規模言語モデル(LLM)システムの効率をどう高めるかを紹介するとされる。両社の競争は、次世代HBMの主導権争いを一段と鮮明にしそうだ。

中国の政策動向も市場の変数となる。3月初旬に始まる全人代では、「第15次5カ年計画(2026〜2030年)」が示される見通しだ。

習近平国家主席は年初から、国産AIチップの強化を最優先課題の1つとして強調してきた。政府活動報告では、AIデータセンターインフラの拡充や国家半導体ファンドの投資実行、成熟プロセス半導体の供給網維持に向けた支援策の規模が具体化するかが注目される。

米国の対中半導体規制が続くなか、中国の自給体制強化がどのペースで進むかは、世界のサプライチェーン再編の方向性にも影響を与える可能性がある。

メモリ大手2社の株主総会も関心を集める。Samsung Electronicsは18日、第57期定時株主総会を開く。

主な議案は、DS(Device Solutions)部門で経営戦略を担うキム・ヨンガン社長の社内取締役選任だ。キム氏は半導体事業全般の戦略企画を統括してきた人物で、HBM競争力の強化やファウンドリー事業の立て直しに向けた経営体制見直しの一環と受け止められている。

現在のSamsung Electronicsの社内取締役は、チョン・ヨンヒョンDS部門長(副会長)、ノ・テムンDX(Device Experience)部門長(社長)、ソン・ジェヒョクDS部門最高技術責任者(CTO)の3人だ。

SK hynixは25日、京畿道・利川の本社で第78期定時株主総会を開く。チャ・ソンヨン未来技術研究院長(CTO・社長)を新たな社内取締役に選任する予定だ。

SK hynixは、「CEO候補群に全社的な視点での経営判断力を養ってもらうため、社内の主要意思決定に参加する機会を設ける」と説明している。両社とも、定款変更議案として集中投票制の排除条項削除と電子株主総会の導入を進める点も注目される。

メモリの固定取引価格も、3月に相場の節目を迎える可能性がある。市場調査会社DRAMeXchangeによると、2月のPC向け汎用DRAM(DDR4 8Gb)の平均固定取引価格は13ドル(約1950円)と、前月比13.04%上昇した。

11カ月連続の上昇で、2016年の調査開始以来の最高値となった。TrendForceによれば、主要DRAMメーカーとPCメーカーの多くは2月までに第1四半期の価格交渉を終えており、今後も上昇基調が続くかどうかが焦点となる。

TrendForceは、スポット価格が売り手と買い手の双方にとって一定の均衡点に達したとしたうえで、今後は上昇ペースが鈍化する可能性が高いとみている。

一方、NANDフラッシュは異なる動きを見せている。汎用品(128Gb MLC)の1月の平均固定取引価格は12.67ドル(約1900円)で、前月比33.91%上昇した。14カ月連続の上昇となる。

供給各社が大容量3D NANDに生産能力を振り向ける一方、SLCやMLCなど成熟品では供給不足が深刻化しているという。

次の焦点は、3月末に公表される第2四半期の固定取引価格だ。DRAMの上昇が一服するのか、NANDの高止まりが続くのかによって、韓国勢メモリ大手の第1四半期の収益性と、第2四半期以降の市況見通しは大きく変わる可能性がある。

GTCで示されるHBM需要のシグナル、中国の半導体自立化政策、株主総会で確認される投資スタンスまで、3月は関連材料が一気に出そろう。上期の半導体投資判断を左右する1カ月になりそうだ。

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