Huaweiは3日、人工知能(AI)需要の急増に対応するには、6Gの標準化議論を進める一方で、当面は5G Advancedの本格展開を優先すべきだとの考えを示した。
同社のヤン・チャオビン上級副社長は同日、スペイン・バルセロナで開かれたMWC26の基調講演で、「端末やチップセットのメーカー側は6Gの早期導入を望んでいるが、通信事業者は新たな標準の導入はまだ早いとみている」と述べた。
そのうえで、中国の春節(旧正月)連休中の事例を挙げ、AI関連トラフィックの伸びに言及した。連休中にはダンス動画を使ったコンテンツで19億件のインタラクションが発生し、大晦日の夜には5000万以上のアバターが生成されたという。
産業分野でのAI導入も加速している。製造、金融、ヘルスケアなどでは3000万超のAIエージェントが稼働しており、2030年には産業向けエージェントの処理量が現在の数万倍に拡大するとの見通しを示した。
ヤン氏は、こうした需要増への有力な解決策として5G Advancedを挙げた。「AIは待ってくれない」とした上で、「5G Advancedネットワークを活用し、増え続けるAI需要に対応しなければならない」と強調した。
同氏によれば、5G Advancedの導入により、ダウンリンク速度は1Gbpsから10Gbpsに高まり、アップリンクも1Gbps級まで向上する。これによって、より多様で柔軟なネットワーク能力を提供できるとしている。
一方で、5G Advancedの効果を引き出すには、周波数の効率的な活用が欠かせないとも指摘した。現在は2G、3G、4G、5G、5G Advancedが併存しているとし、「事業者が保有する周波数に応じて最適な技術を選べるよう、制度面の柔軟性を確保すべきだ」と述べた。
接続格差にも懸念を示した。東アジアや中東、北米の一部では5G普及率が50%を超える一方、アフリカや中南米の一部では依然として2Gが中心だという。最近までに3億人以上がモバイルネットワークに接続できていないとも説明した。
ヤン氏は「AIが急成長するほど、格差はかえって広がる可能性がある」と述べ、多様な周波数ポートフォリオとコスト効率の高いソリューションによって、より広い接続環境を提供すべきだと訴えた。HuaweiのRuralStarは80カ国以上で導入され、1億7000万人にモバイル接続の機会を提供しているという。
最後に同氏は、「今後5年間は、5Gの大規模展開によってAIサービス需要に応える必要がある」と述べた。その上で、「6G陣営が議論しているユースケースや候補技術の大半は、すでに5G Advancedで実現可能だ」と重ねて強調した。