【バルセロナ=デジタルトゥデイ】Qualcommのクリスティアーノ・アモンCEOは3日(現地時間)、スペイン・バルセロナで開催中のMWC26の基調講演で、6GをAI時代の中核インフラと位置付けた。接続性に加え、コンピューティングとセンシングを一体で設計することで、新たな通信サービスの創出にもつながるとの考えを示した。
アモンCEOは「6Gの使命は、あらゆる場所に存在するAIを支える無線技術になることだ」と述べ、6GがAI時代の基盤になると強調した。
同氏は、2026年をAIエージェントが本格化する年になると予測した。スマートフォン中心の利用を超え、人の意図を理解するAIエージェントが広がることで、通信のあり方も変わると指摘。コンピュータと直接連携するエッジの重要性も一段と高まるとの見方を示した。
その上で、6Gは「接続性」「コンピューティング」「センシング」の3要素を軸に設計されると説明した。AI活用の拡大に伴い、学習や推論に必要なデータを送るアップリンク需要も急速に増えているという。
2034年までに世界のモバイル通信トラフィックは最大7倍に増え、その約30%をAI関連が占めると予測した。こうした需要に対応するため、6Gではアップリンクのカバレッジ拡大や容量増強、高速化が重要になるとした。
また、6GネットワークはAIデータセンターを支えるコンピューティングインフラとしても機能すると説明した。基地局からコアネットワーク、大規模データセンターまでを含む構成となり、「ダイヤルトーンネットワークからブロードバンドネットワークへの転換に匹敵する大きな変化だ」と述べた。
センシング分野では、ドローンの探知や空域の運用管理、道路・車両・歩行者の把握などを通じ、国レベルの3Dマッピングの実現が可能になるとした。産業現場に新たな機会をもたらすと同時に、次世代通信サービスへの広がりも期待できるという。
アモンCEOは「こうした能力は、ユーザー体験だけでなく、ネットワークそのものの概念を変える」と指摘し、「6Gネットワークはコンピューティングシステムへと進化し、多様な産業の中核インフラになる」と重ねて強調した。
さらに、2028年にデモを実施し、2029年から本格的な6G商用化が始まるとの見通しを示した。Qualcommは今回のMWCで、世界の主要産業パートナーと6Gの開発と世界展開に向けた戦略的な協力体制を発足させたとし、「あらゆる場所に存在するAIのための無線技術を、ともに構築していく」と述べた。