AIによる雇用不安が広がる中、暗号資産の長期保有に言及したチャンポン・ジャオ氏。写真=Reve AI

人工知能(AI)による雇用減少への懸念が強まる中、Binance創業者のチャンポン・ジャオ氏(CZ)が、暗号資産の長期保有を、将来の生活基盤を支える選択肢として提起した。AIが労働市場に与える影響が広がるなか、賃金収入への依存を減らす手段として暗号資産を位置付けた格好だ。

ブロックチェーンメディアのThe Crypto Basicは1月23日(現地時間)、ジャオ氏のこうした見解を報じた。

背景には、ダボスで開かれた世界経済フォーラム(WEF)でも相次いだ、AIによる雇用への影響を巡る警戒感がある。ジェイミー・ダイモン氏(JPモルガン・チェースCEO)やジョ・ユクゾグル氏(Deloitte CEO)ら複数の経営者が、AIの普及に伴う雇用減少の可能性に言及した。実際、AIは顧客対応や金融など幅広い分野で自動化を加速させており、JPモルガンも大規模な活用を進めるなかで、今後5年以内の人員減少の可能性を示唆している。

ジャオ氏は、こうした環境変化のなかで暗号資産が資産形成の手段になり得ると強調した。暗号資産を購入して長期保有すれば早期リタイアも可能になり得るとして、中長期での価値上昇に期待を示した。この見方は、Strategyのマイケル・セイラー会長がビットコインを通じた世代間の資産形成に言及してきた議論とも重なる。

もっとも、暗号資産市場の変動性の高さを踏まえ、ジャオ氏の主張には懐疑的な見方もある。Dogecoin(DOGE)やCardano(ADA)、Shiba Inu(SHIB)などは、依然として2021年の最高値を80%以上下回る水準にある。暗号資産が雇用の代替になるどころか、価格変動によって家計の不安定さをむしろ高めかねないとの指摘も出ている。

それでも、AI時代の到来とあわせて、暗号資産を単なる投機対象ではなく「デジタル資産」として捉え直す動きは続いている。ビットコイン現物ETFの承認などを通じて制度金融への組み込みが進み、暗号資産を既存の金融システムに対する代替的な価値保存手段とみる見方も広がっているためだ。ジャオ氏の発言についても、短期売買を促すものではなく、労働所得が不安定になる将来に備えた資産分散の必要性を示したものだと受け止める向きがある。

AIが労働市場に与える影響が大きくなるにつれ、暗号資産を生活防衛や資産分散の選択肢として捉える議論は今後も続きそうだ。一方で、それが失業リスクへの有効な備えとなるのか、新たなリスク要因になるのかはなお見通せない。

ジャオ氏は「AIはあなたを失業させるかもしれない。暗号資産は、仕事に依存しない状態を可能にする。いま買って保有すれば、数年でリタイアできるかもしれない。すでに暗号資産でリタイアできたなら……。投資助言ではない」と述べた。

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