26日に国会議員会館(ソウル・汝矣島)で開かれた統合メディア法討論会の出席者ら。写真=DigitalToday

韓国国会は26日、統合メディア法の一環として、仮称「視聴覚メディアサービス法」の草案を公表した。放送の送出方式を基準にしてきた従来の規制体系を見直し、NetflixなどのOTTやYouTube、将来的にはAIコンテンツも視野に入れた、社会的影響力中心の法的枠組みへ転換するのが柱だ。

国会科学技術情報放送通信委員会は同日、国会議員会館(汝矣島)で「統合メディア法討論会」を開催し、同草案を公開した。草案は、2025年6月にチェ・ミンヒ委員長直属で発足した統合メディア法タスクフォース(TF)が、7カ月にわたり16回の会議を重ねてまとめたものだ。

◆「送出方式」から「社会的影響力」へ規制軸を転換

草案の中核は、メディアごとに分かれていた縦割り規制の見直しにある。発表を担ったクォン・オサン デジタル未来研究所代表は、現行法が1990年代水準の「送出」の概念に縛られていると指摘した。電波を使うか、回線を敷設するかといった技術基準で法体系が分かれているため、メディア環境の変化に制度が追いつかず、規制の空白が生じているという。

新法案では、各種媒体を「視聴覚メディアサービス」に一本化する。名称は、欧州連合(EU)の「視聴覚メディアサービス指令」(AVMSD)に由来する。技術方式ではなく、コンテンツの編成や配置、社会的影響力を規制の基準とする点が特徴だ。

制度設計では、メディアを「公共領域」と「市場領域」に区分する。公共領域には、公共放送のKBS、MBC、EBSのほか、地上波や報道チャンネルを位置付ける。政治的・社会的な影響力が大きいことを踏まえ、現行の許可・承認制度を維持しつつ、公共放送には6年単位の協約制度を導入し、公的責務の強化と財源問題を連動させる案を示した。

一方、市場領域にはOTT、プラットフォーム、一般チャンネル(PP)、影響力の大きいYouTubeチャンネルなどを含める。従来の「総合編成」「専門編成」といった縦割りのジャンル規制は廃止し、広告については原則認めた上で、一部の例外のみを禁止するネガティブ方式へ切り替える。

特に、既存メディアに匹敵する影響力を持つ一部の利用者制作コンテンツ(UGC)やYouTubeチャンネルについては、法令上の規制対象に組み込み、制度上の均衡を図る方針を示した。

◆グローバルOTTの財産状況公表も検討 逆差別の是正狙う

草案には、グローバルOTT事業者の売上高や財務状況などを把握するための法的根拠も盛り込んだ。現在、YouTubeやNetflixといった海外プラットフォームの国内売上高は推計に頼る部分が大きく、公平性を巡る議論が続いている。

キム・ナムドゥ 情報通信政策研究院研究委員は、放送事業者と異なり、OTTには会計情報を収集する制度的な仕組みがなく、市場の透明性が低いと指摘した。その上で、グローバルOTTにも放送事業者に準じた「財産状況の公表制度」を導入する方向で、折衷案を探る必要があると強調した。国内事業者だけが不利になる逆差別構造の是正と、市場モニタリング体制の強化が狙いだ。

また、草案は「国家メディア発展基本計画」の策定も明文化し、メディア産業への投資と人材育成を国家的課題として位置付けた。イ・ジョングァン 法務法人世宗主席専門委員は、近年のOTT料金の大幅な値上げが市場に与える影響は大きいとし、社会的影響力に応じた比例的な政策対応が必要だと述べた。

◆AIメディアは二段階の立法課題に

一方、AIメディアに関する規制は今回の草案には盛り込まれなかった。チェ・ヨンギル 韓国外国語大学教授は、AIメディアは全く新しい領域であり、今回の議論の枠組みでは扱いが難しかったと説明した。その上で、放送メディア通信委員会は事後規制にとどまらず、先行的に政策モデルを提示できる能力を備えるべきだと提言した。国会とTFはこれを、二段階の立法における今後の社会的合意課題と位置付け、補完していく考えだ。

討論会では、統合メディア法の実現に向け、省庁間の所管争いを超える政策リーダーシップを求める声も上がった。ノ・チャンヒ デジタル産業政策研究所長は、現行の放送法は技術環境の変化に比べて遅れが大きいとし、公的領域と民間領域の区分を明確にして、技術発展と規制の乖離を解消すべきだと強調した。

シム・ウミン 京仁教育大学校副教授は、法制度の統合自体が目的になってはならないと指摘した。統合によって何が改善されるのかという実質的な効果を明確にし、社会的合意を形成するプロセスが重要だと述べた。

国会は今回の討論会を起点に、立法作業を加速させる方針だ。科学技術情報放送通信委員会所属のファン・ジョンア 「共に民主党」議員は、今がメディア法整備のゴールデンタイムだとした上で、環境変化を反映した適切な法案が第22代国会で可決されるよう全面的に支援すると述べた。委員会としてもスピード感を持って立法手続きを進める考えを示した。

これに対し、放送メディア通信委員会は国会とは別に、政府立法の可能性も残している。キム・ヘナ 放送メディア通信委員会メディア制度革新チーム長は、メディア統合法制に関する業務を継続的に進めてきたとした上で、法案の内容を検討していると説明した。立法を進める過程や方式についても、引き続き幅広く検討する姿勢を示した。

キーワード

#統合メディア法 #視聴覚メディアサービス法 #OTT #YouTube #UGC #AI #AVMSD
Copyright © DigitalToday. All rights reserved. Unauthorized reproduction and redistribution are prohibited.