AIエージェント時代の決済基盤としてステーブルコインに注目が集まっている。写真=Reve AI

Circleのジェレミー・アレア最高経営責任者(CEO)は、AIエージェントが本格的に経済活動へ参入する局面では、決済インフラとしてステーブルコインが最も現実的な選択肢になるとの見方を示した。24時間対応の越境決済や自動取引を支える手段として、既存の金融システムでは限界があると指摘している。

アレア氏はスイス・ダボスで開かれた世界経済フォーラム(WEF)年次総会で、「今後3〜5年で数十億のAIエージェントが登場し、実際の経済活動に参加する」と述べた。AIとステーブルコインの組み合わせが、今後のグローバル金融システムにおける重要な基盤になるとの認識を示した。

1月23日付のCointelegraphによると、アレア氏は、AIエージェントがインターネット上で自律的に活動するには、従来の金融インフラでは対応しにくい決済の仕組みが必要だと説明した。

同氏は「AIは人間のように銀行口座を開設したり、クレジットカードを発行したりできない。国ごとの規制や営業時間に制約される既存の金融システムでは、AIの処理速度や拡張性に対応できない」と述べた。

そのうえで、インターネットの速度で動き、国境をまたいで即時に決済でき、24時間自動で稼働する手段としては、「事実上、ステーブルコインしかない」と付け加えた。

アレア氏によれば、将来の決済市場では、人間ではなくAIが主な利用主体になる可能性がある。その場合、求められるのは高速性、自動化、価格の安定性を備えた決済手段であり、ステーブルコインが中心的な役割を担う可能性が高いという。

こうした見方は、暗号資産業界でも広がりつつある。Binanceの共同創業者で前CEOのチャンポン・ジャオ氏(CZ)も最近のインタビューで、「AIエージェントの基軸通貨は最終的に暗号資産になる」と語っている。

ジャオ氏は「AIは銀行カードや従来の決済ネットワークを利用できない。ブロックチェーンを通じて直接支払いと清算を行う構造が最も自然だ」と説明し、ソフトウェアが主体となって経済活動を担う時代には、分散型の決済インフラが不可欠だと強調した。

実際に、大手テック企業や主要な暗号資産企業も、AI決済市場を見据えた取り組みを進めている。米暗号資産取引所のCoinbaseは、AIエージェント向けオンライン決済プロトコル「x402」を開発している。

x402は、AIがWeb上でサービス利用の対価を自動で支払ったり、別のAIと取引したりできるよう設計されているのが特徴だ。Coinbaseは、AIエージェント同士の商取引(machine-to-machine commerce)が本格化するとみている。

GoogleもAI向け決済基盤の標準化を進めている。最近公開した「Universal Commerce Protocol(UCP)」では、AIが複数のプラットフォームやサービスをまたいで決済できる環境の整備に着手した。

こうした動きは、AIが単なる情報処理ツールにとどまらず、実際に取引を行う経済主体として機能することを前提にしたものと受け止められている。

業界では、この流れがステーブルコインの用途を、個人送金や取引所での決済から、AIベースの経済システムを支える中核インフラへと広げる契機になるとみている。

とりわけドル連動型のステーブルコインは価格変動が比較的小さく、AIエージェントによる契約の自動執行、サービス購入、データ利用料の支払いなどに適しているとの評価が出ている。

アレア氏は、数十億規模のAIエージェントが大規模な取引を行う時代を支えられる仕組みとして、ステーブルコインが最有力だとの認識を改めて示した。

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