Metaのマーク・ザッカーバーグCEO(写真:Shutterstock)

Metaが、AIインフラへの投資を一段と強化する。マーク・ザッカーバーグCEOはこのほど、同社のSNS「Threads」で新組織「Meta Compute」の設立を明らかにし、超知能AIの開発に向けて大規模な計算基盤を構築する方針を示した。

Metaは外部企業向けにクラウドサービスを提供していない。それにもかかわらず、AI開発を支える演算能力の確保に巨額の資金を投じており、その狙いに注目が集まっている。

ザッカーバーグ氏は、「今後10年で数十GW、長期的には数百GW超の計算資源を確保する」と表明した。そのうえで、「インフラをどう設計し、どう投資するかが戦略的優位性につながる」と強調した。1GWは、数十万世帯に電力を供給できる規模に相当する。

新設するMeta Computeは、技術インフラ、半導体設計、電力調達、サプライチェーン戦略を一体的に担う組織だ。既存データセンター運用を率いてきたサントシ・ジャナダンが技術アーキテクチャを引き続き統括し、昨年Metaに加わったAI専門家のダニエル・グロスが長期需要予測と、半導体・エネルギーの確保戦略を担当する。

グロスは過去に、OpenAIのイリヤ・スツケバーとともに「Safe Superintelligence」を設立した人物でもある。

また、政治・金融の両分野で経験を持つディナ・パウエル・マコーミックは、世界各地のデータセンター投資と各国政府との連携を担う。トランプ政権では、戦略担当の国家安全保障副補佐官を務めた。

Meta Computeの新設については、単なる設備増強にとどまらないとの見方も出ている。元OpenAIでインフラ政策責任者を務めたレイン・ディルグは、「Metaはインフラをコストではなく戦略資産とみている」と指摘。「もはや単なるテック企業ではなく、グローバルな資産運用会社のように動いている」と語った。

実際、グロスはX(旧Twitter)への投稿で、「ディープラーニング、半導体、サプライチェーン、電力、モニタリングなどをカバーできる人材を探している」と明らかにした。Meta Computeが技術領域にとどまらず、エネルギーや地政学まで視野に入れた戦略組織である可能性をうかがわせる。

一方で、投資家の間には懸念もある。「ビッグ・ショート」で知られるマイケル・バリーは、Metaの積極投資が資本投下利益率(ROIC)を押し下げかねないと指摘し、過度な設備投資が収益性を損なう恐れがあると警告した。巨大なデータセンター投資によって、事業構造が公益企業のような資本集約型へ傾くとの見方もある。

もっとも、Metaはすでに昨年、AIインフラに700億ドル超を投じた。今後2年間で、さらに6000億ドル超を追加投資する計画だという。ザッカーバーグ氏は、「遅れずに、圧倒的に行く」との姿勢を鮮明にしている。

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