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生成AIを活用し、子ども向けの学習体験を再設計する動きが広がっている。そうした中、Google出身の創業メンバーが立ち上げたスタートアップのSparkliは、テキスト中心になりがちな既存のAI学習支援とは異なり、音声や動画、画像、クイズ、ゲームを組み合わせた探索型の学習体験を提供するサービスとして注目を集めている。

Sparkliは、ロクス・フジャリ、ルーシー・マシャン、ミン・カンの3氏が2025年に設立した。3氏はいずれもGoogleの社内スタートアップ組織「Area 120」の出身だ。

TechCrunchによると、創業のきっかけは創業メンバー自身の子育て経験にあった。フジャリ氏とカン氏は、親として子どもの問いに十分に応えられない場面が多いことを課題として認識していた。ChatGPTやGeminiも試したが、返ってくるのは長文テキスト中心の説明が多く、子どもにとっては必ずしも理解しやすい形ではなかったという。

その結果、子どもが求めているのは単なる説明ではなく、実際に触れながら学べる体験だとの結論に至った。Sparkliは、「火星はどんな姿をしているのか」といった問いに対し、写真や動画を見せるだけでなく、子どもが自ら探って学べる体験そのものを提供することを目指している。

同社によると、Sparkliのアプリでは、あらかじめ用意されたテーマを選ぶほか、子ども自身が質問を入力して学習体験を作成できる。毎日1件の新しいテーマも提案し、継続的な学習を促す。各テーマは音声、動画、画像、クイズ、ゲームで構成され、正解を急がず、探索しながら理解を深められる設計だという。

技術面では、生成AIが教材を構成する各種コンテンツをリアルタイムで生成する点が特徴だ。ユーザーが質問を入力すると、2分以内に学習体験を組み立てるとしており、同社はさらに生成時間の短縮を目指す。単なるチャットボットの回答ではなく、音声や視覚素材、ゲーム要素を組み合わせた学習パッケージを自動生成する点を差別化要因に挙げている。

また同社は、一般的なAIアシスタントが知識の提示に重点を置くのに対し、Sparkliは学びの体験設計まで担うと強調する。扱うテーマも科学や歴史にとどまらず、金融リテラシー、起業家精神、システム設計といった現代的な概念まで広げている。

安全対策では、性的コンテンツを表示しない設計を採用した。自傷行為などセンシティブな質問に対しては、感情への理解を促しつつ、保護者との対話につなげる形で応答するという。

SparkliはDuolingoを参考に、ゲーム要素も取り入れた。連続学習の記録、報酬システム、アバターをベースにしたクエストカードを用意している。あわせて教員向けモジュールも開発しており、教師は生徒の進捗確認や宿題の割り当てが可能だ。すでに20校で試験導入を進めているほか、10万人超の生徒ネットワークを持つ教育機関とも連携している。教師は授業の導入で探索型コンテンツを使い、その後の討論型授業へ展開したり、宿題ツールとして活用したりできるとしている。

Sparkliはプレシード段階で500万ドル(約7.5億円)を調達した。今後数カ月は学校向けを軸に展開し、2026年半ばには一般消費者向けアプリを公開する計画だ。

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