AIコーディングツール「Cursor」の開発元Anysphereのマイケル・トゥルエルCEOが、GPT-5.2を使ってWebブラウザ「FastRender」を開発し、1週間連続で稼働させたとアピールしている。ただ、開発者コミュニティでは、成果物の品質や安定性に懐疑的な見方が出ている。
トゥルエル氏によると、FastRenderは300万行超のコードと数千のファイルで構成される。HTML解析、CSS処理、レイアウト、テキスト処理に加え、自前のJavaScript仮想マシン(JS VM)も独自実装したという。
これに対し、開発者の評価は厳しい。The Registerによれば、英ソフトウェアコンサルティング会社Codemanshipのジェイソン・ゴーマン氏は、「AIエージェントが大規模プロジェクトを実装できることは示したが、成果物の品質はひどい」と評した。
The Registerはあわせて、FastRenderのGitHubリポジトリでは修正作業の失敗率が88%に達しており、コードの安定性にも疑問が出ていると報じた。
一部の開発者は、ビルド手順の修正やバグ対応を通じてコンパイルに成功したと報告している。ただ、全体としては「動作はするものの、ブラウザエンジンと呼べる水準ではない」との見方が多いという。
Webブラウザ開発の経験を持つソフトウェアエンジニア、オリバー・メドハースト氏も、「印象的なのは大規模なコードを生成できた点にとどまる」と指摘し、FastRenderは競争力のあるブラウザではないとの見方を示した。
同氏はさらに、「Mozillaが開発するServoやLadybirdは、100万行未満のコードで、より多くの機能を実現している」と付け加えた。