スペイン・ウエルバ地域のホティフルーツ・ベリー農場で実施した自律走行運搬ロボットの概念実証(PoC)。写真はDaedong Roboticsのカム・ビョンウ専務が農場関係者に説明する様子。写真=Daedong

Daedongは1月23日、農村振興庁と進めてきたスマート農業分野の協力で、AIを活用した営農支援や精密農業技術の高度化に成果が出たと発表した。両者は2025年5月に「スマート農業協力協議体」を立ち上げ、データ、精密農業、グリーンバイオ、スマートファーム・現場普及の4分科で計18件の協力課題を進めてきた。

データ分科では、農村振興庁の「農業気象災害早期警報サービス」のAPIを活用し、「AI災害警報サービス」を開発した。2025年8月にDaedong Connectアプリへ導入しており、同社によると、民間で初めて商用化したAIベースの農業災害予測サービスだという。

同サービスは、農家ごとの農地と作物情報をもとに、最大10日前から災害リスクを通知し、栽培段階に応じた対応指針も提示する。従来の5kmメッシュ予報に代えて30m単位の高精度な気象災害予報を適用し、事前対応の効率向上につなげたとしている。

営農相談機能でも、農村振興庁の営農データを学習した「AI Daedongi」の機能を強化した。主要作物12種を対象に、病害虫、栽培技術、図書資料などを学習させ、相談精度の向上を図った。

累計質問数は10万件を超え、月平均でも8000件以上の利用があるという。Daedongは、2025年に加入者が4万人を超えたDaedong Connectアプリに、2026年第2四半期中をめどにAIコール基盤の営農日誌サービスを追加する予定だ。

精密農業分野では、全国231筆の農地を対象に実証を実施した。肥料処方の誤差率は4.29%まで低下し、可変施肥後の窒素均一度は従来比で73%改善した。

また、衛星とドローンのデータをもとに作成した追肥マップの相関係数は0.97だった。Daedongは、衛星データだけでもドローンに近い精度の生育マップを構築できる可能性を確認したとしており、今後は衛星・ドローンベースの施肥技術の現場普及をさらに広げる方針だ。

同社は2026年までに、「全サイクルのデータ基盤精密農業体系」の構築を進める。肥料の適正投入量の算出、環境負荷の低減、イネのタンパク質推定モデルの開発、倒伏エリアの検出など、実用技術の高度化に取り組む。

あわせて、精密農業プラットフォームを通じて、Webとアプリの両方で必要な情報を確認できる環境も整備している。今後は、追肥処方の自動化、無料の衛星生育モニタリング、農作業代行機能などを追加し、農家、自治体、法人を横断して利用できるサービスへ拡張する計画だ。

グリーンバイオ分科では、農村振興庁が睡眠の質改善に関する機能性素材「キリンチョ」を戦略素材として発掘し、栽培実証を進めた。Daedongは、ソウル事務所のスマートファーム温室での栽培を通じ、露地栽培に比べた生産性向上の可能性を確認したという。

スマートファーム分野では、農村振興庁が進める国内温室データと環境制御の標準化プロジェクト「Ara温室プラットフォーム協議体」に協力し、温室環境管理の効率化を進めている。

現場普及分科では、ロボットと精密農業技術の経済性と有用性を検証した。コチャン郡のリンゴ農園やオクチョン郡のモモ農園でDaedongの自律走行運搬ロボットを用いた運搬作業を実施した結果、両農場の作業時間は前年に比べ最大10%減少した。

農村振興庁は2026年、実証対象と分野をさらに拡大する。Daedongは、農村振興庁からの技術移転を通じて、運搬ロボットと可変施肥技術の高度化を進める方針だ。

ナ・ヨンジュンDaedongグループ経営副社長は、「農村振興庁との協力を通じ、AIとデータに基づく農業技術が現場で実質的な成果を生み出すことを確認できた」と述べた。そのうえで、「研究成果の産業化とスマート農業技術の普及を通じ、農業の持続可能な未来づくりに取り組む」とコメントした。

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