サイト内コンテンツのイメージ(写真=ナノバナナ)

D2CのECサイトでは、ショート動画広告やSNSマーケティングで流入を伸ばしても、売上につながらないケースが少なくない。購買転換の成否を分けるのは、サイトに訪れた後の体験だ。デザインやレイアウト、商品詳細ページといったサイト内コンテンツの出来が、離脱防止と購入判断を左右する。

業界では、こうした基本設計が不十分なまま集客に費用を投じても、マーケティング効果は大きく目減りするとみている。ブランドの個性を伝え、購入を後押しする情報設計が欠かせないという指摘だ。

◆0.05秒で決まる第一印象

カナダのカールトン大学の研究チームによると、Webサイト訪問者が第一印象を形成するまでにかかる時間は0.05秒(50ミリ秒)にすぎない。英国ノーサンブリア大学の研究では、Webサイトへの不信感の要因の94%がデザインに関連しているとの結果も示された。

サイトの構造やデザインが粗いと、ユーザーは商品を見る前に離脱しかねない。とりわけ立ち上げ期の事業者は、デザイン人材や専門知識、制作時間が不足しやすく、短時間で信頼感を与えるサイトを整えるのは容易ではない。

こうした課題に対し、Cafe24は「プロ体験スペース」を提供している。運営中のサイトや参考URLを入力すると、システムがサイトを分析し、30のカテゴリの中から適切な業種を自動で分類する仕組みだ。

その上で、トップページからヘッダーやサイドメニュー、商品詳細ページ、カート、注文画面まで、運営に必要な主要画面のデザイン案を生成する。商品詳細ページについても、レビュー、問い合わせ、配送・返品情報などの要素を盛り込む。

生成されたデザイン案は、そのまま適用して事業開始に活用できる。決済代行(PG)の設定も一括で進められるという。デザイン案は日本語を含む43言語に対応する。

◆商品詳細ページの情報量が購入判断を左右

EC事業者のコミュニティーでは、以前に比べて商品詳細ページの重要性は低下したとの見方もある。メイン画像を見て直感的に購入する消費者が増えた、という主張だ。

一方で、業界関係者の見方は異なる。オンライン購入では、消費者が抱く疑問や不安を商品詳細ページで解消してこそ、購買につながるという。実店舗の販売員が接客で商品の価値を伝え、迷いを取り除くのと同じ役割を、商品詳細ページが担うという考え方だ。

製品情報管理ソリューションを手掛けるSalsifyの「2025消費者研究レポート」によると、消費者の87%が、商品詳細ページ内の豊富な製品コンテンツは購買決定に非常に重要だと回答した。説明が不十分なページでは、売上成長も見込みにくいことを示している。

◆課題は制作時間とコスト

商品詳細ページは縦長の画像で構成されるケースが多く、制作負担が大きい。デザインの知識が乏しい事業者にとっては、外注費がかさむうえ、自作する場合も時間を取られ、本来のブランド運営に手が回らなくなりやすい。

Cafe24は、こうした負担の軽減策も打ち出している。商品画像や商品名などの基本情報を入力するだけで、2〜3分で商品詳細ページを作成できるという。「ガイド文言推薦」機能は画像と商品名を分析して必要な訴求ポイントを提案し、「売れる文言」アップグレード機能は簡単な説明文を説得力のあるコピーに整える。

業種ごとに適したレイアウトも自動で反映する。例えば、キッチン用品やインテリア小物のようにデザイン性が重視される商材には「デコ」テーマを提案する。線の要素や強調文をバランスよく配置し、視覚面の完成度を高めるという。

ジュエリーブランド「ミコペ」の関係者は、「以前は商品登録に多くの時間を取られていたが、今では1日3時間で10件以上の商品詳細ページを作成している」と説明する。「レイアウトをシステムが自動で組むため品質も高く、やろうと思えば1日30件の登録も可能だ」としている。

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