韓国政府は、EUの炭素国境調整制度(CBAM)の本格実施を受け、輸出企業向け支援と国内の対応体制強化に乗り出した。産業通商資源部は1月21日、政府世宗庁舎でパク・ジョンソン通商次官補主宰の「炭素国境調整制度」総合対応タスクフォース会議を開き、業界の対応状況を点検したと発表した。
会議には、外交部、気候エネルギー環境部、中小ベンチャー企業部、企画財政部、関税庁、国家気候危機対応委員会など関係省庁が出席した。
EUは1月1日、CBAMを本格実施した。対象となるのは鉄鋼、アルミニウム、セメント、肥料、水素、電力の6品目で、EU向けにこれらを輸出する韓国企業には制度対応が求められる。
CBAMは一般的な輸入関税とは異なり、輸入時点ではなく、翌年に排出量の検証を経て負担が生じる仕組みだ。このため、今年EUに製品を輸出した企業は炭素排出量を算定し、来年、その算定結果について検証を受ける必要がある。
政府は、輸出企業にとって当面は影響が見えにくいものの、来年に入って輸入業者から対応を求められた際、想定外の負担が発生する可能性があるとみている。
このため政府は、業界団体などと連携し、輸出企業向けの制度周知を強化する。説明会や教育・研修プログラムを拡充するほか、炭素排出量の算定を支援する関連事業も活用して企業の対応を後押しする方針だ。
あわせて、来年から排出量算定結果の検証が始まることを踏まえ、検証機関の確保など国内の実務体制整備も進める。
政府は同日協議した支援策の実施準備に着手し、制度を巡る追加協議もEU側と進める計画だ。進捗は定期的に点検する。
パク・ジョンソン通商次官補は「CBAMの施行は、韓国の輸出業界に新たな負担となる恐れがある」と述べた。その上で、「制度が貿易障壁として機能しないようEU側と継続的に協議するとともに、業界が制度変更を新たな機会として生かせるよう、制度履行や低炭素生産体制の構築を切れ目なく支援していく」と強調した。