米最高裁は1月20日(現地時間)、ドナルド・トランプ大統領の相互関税を巡る適法性について判断を示さなかった。国際緊急経済権限法(IEEPA)に基づく関税措置を巡る訴訟の言い渡し時期も明らかにしておらず、通商政策を巡る不透明感が続いている。
同日に最高裁が言い渡したのは、医療関連訴訟など3件にとどまった。トランプ政権の関税措置を巡る案件は含まれなかった。ロイター通信は、最高裁が相互関税の適法性を巡る争点について判断を示さなかったと報じている。
最高裁は1月9日と14日にも判決の言い渡しを予定していたが、いずれも相互関税訴訟には触れなかった。米最高裁は、どの事件をいつ言い渡すかを事前に公表しない運用を取っている。
トランプ大統領は昨年2月、「公正および相互貿易計画」に関する大統領令に署名した。累積する貿易赤字を国家非常事態と位置付け、IEEPAを根拠に、対米貿易黒字国に国別関税を課した。これに対し、民主党系の知事が率いる12州と米国内の中小輸入業者が提訴している。
訴訟の争点は、議会に専属する課税権を、大統領が安全保障上の危機を理由にどこまで行使できるかにある。輸入業者側は、関税を課す権限は議会にあると主張。第1審、第2審はいずれも政府側敗訴の判断を示した。
昨年後半には、連邦巡回控訴裁判所が「IEEPAは大統領に無制限の課税権限を与えるものではない」として、輸入業者側の主張を認めた。トランプ政権はこれを受けて直ちに上告し、トランプ大統領は関税に関する35件超の大統領令に署名した。
トランプ大統領は、どのような判決が出ても関税政策を維持する考えを示している。相互関税が取り消されれば米国に災厄をもたらすとして、世論への訴えも続けている。