ベテラントレーダーのピーター・ブラント氏が、ビットコイン(BTC)に追加下落の余地があるとの見方を示した。価格は5万8000〜6万2000ドル(約870万〜930万円)まで調整する可能性があり、足元の約9万2400ドル(約1386万円)から最大37%の下落に相当するという。
BeInCryptoが20日(現地時間)に報じたところによると、ブラント氏はX(旧Twitter)への投稿で、過去2カ月に形成された「上昇ウエッジ(rising wedge)」を下落リスクの根拠に挙げた。上昇ウエッジは、価格の上昇が続く一方で勢いが弱まりやすいパターンで、一般に弱気シグナルと受け止められる。同氏は「ビットコインの目標レンジは5万8000〜6万2000ドルだ」と述べた。
もっとも、同氏はテクニカル分析の限界にも触れ、「私は半分は間違う。間違っても気にしない」とコメントし、市場予測には不確実性が伴うと強調した。
ブラント氏以外にも、足元のビットコイン相場が2022年の下落局面と似た値動きになっているとの見方がある。水平の抵抗線の下で短期的な反発が起きた後、ブルトラップが形成され、その後に主要サポートを割り込み急落した当時の展開と、今回の構図が重なるという指摘だ。
BeInCryptoも、ビットコインの主要な弱気サインとして5点を挙げ、短期的な調整リスクに注意を促した。ただ、市場関係者の見方が一様に悲観へ傾いているわけではない。
アナリストのテッド・ピローズ氏は、米国の流動性伸び率(前年比)が2025年11月を底に反転し始め、それがビットコインの短期的な底入れ局面と重なると主張した。同氏は「現在、米国の流動性は改善しており、これが暗号資産相場の上昇を期待する理由だ」と説明している。
週足チャートでは、ビットコインがなお長期の上昇トレンドを維持しているとの分析もある。同じ上昇トレンドラインを3度試しながらも割り込んでおらず、直近の反発は押し目買いが入っていることを示すとの見方だ。このトレンドラインを維持する限り、中長期の強気構造は崩れていないとしている。
方向感を欠く相場のなか、長期保有者や古参の大口保有者の動きも注目されている。オンチェーン分析プラットフォームのLookonchainによると、13年間動きのなかったクジラが、約8460万ドル(約127億円)相当の909.38BTCを新たなウォレットへ移した。このビットコインは1BTCあたり7ドル未満で取得したもので、リターンは約1万3900倍に達した計算になる。
別のクジラは、12年前に1BTCあたり332ドルで購入した5000BTCのうち、最近500BTCを売却した。2024年12月以降、分割して売却を続けているとされ、これまでに累計5億ドル超の利益を確定したと推定される。
テクニカル分析、オンチェーン分析、マクロ環境が強弱入り交じるシグナルを示すなか、ビットコインは重要な分岐点に差しかかっている。短期的には追加調整の可能性が意識される一方、流動性改善というマクロの追い風が中長期の上昇につながるかどうかは、なお慎重な見極めが必要だ。