Gartnerは1月21日、2025年の世界PC出荷台数が2億7000万台となり、前年比9.1%増えたとする予備調査を発表した。第4四半期の出荷台数は7150万台で、前年同期比9.3%増だった。Windows 11への移行に伴う買い替え需要に加え、メモリ価格の上昇を前にした在庫積み増しが市場を下支えした。
Gartnerは、2022〜2023年の市場縮小と2024年の緩やかな回復を経て、PC市場が本格的な成長局面に入ったとみている。
成長の主因としては、Windows 11移行に伴う需要と、メモリ価格上昇を見越した調達の前倒しを挙げた。Gartnerのリシ・パディ氏は、「個人需要に加え、Windows 11への移行に伴う企業の買い替え需要が重なり、2025年第4四半期のPC市場は成長した」と説明した。
第4四半期の平均販売価格は前年同期並みだった。パディ氏は、「四半期末にかけてハイエンドGPUやAI PCの価格上昇がみられたものの、販促施策と価格下落圧力がこれを相殺した」と述べた。
メーカー別では、Lenovoが出荷台数とシェアで首位を維持した。年間出荷台数は7356万7000台で、シェアは27.2%、前年比では17.6%増だった。HPは5745万7000台で8.3%増、Dellは4139万2000台で4.9%増となった。
第4四半期でも、Lenovo、HP、Dellの上位3社はいずれもシェアを伸ばした。出荷台数の伸び率はLenovoが14.3%、HPが12.1%、Dellが18.2%だった。上位6社の順位に大きな変動はなかった。
パディ氏は、関税政策の不透明感に加え、2026年に見込まれるメモリ価格の上昇、Windows 10の延長セキュリティ更新プログラム(ESU)の費用増が重なり、企業の間でハードウェア更新を優先する動きが強まったと分析した。加えて、メーカー各社がAI PCを前面に打ち出し、買い替え需要の取り込みを進めたことも、2025年の市場成長に寄与したとした。
一方で、AI PCの効果は現時点では限定的だとの見方も示した。パディ氏は、「ローカル推論などAI PCの多くの機能は、クラウドベースのAIと比べて、明確な生産性向上効果をまだ十分に示せていない」と指摘。その上で、「多くの企業は、AI機能による即時の事業価値創出というよりも、将来を見据えたITインフラ更新の一環としてPCの刷新を進めている」と分析した。