Binanceから流出した盗難資金が、プログラムによって自動的に資金洗浄されている可能性がある。ブロックチェーン分析企業のEllipticが31日(現地時間)、Tron上で資金分散を担った主要ウォレットの動きを分析した結果として明らかにした。
29日に発生した流出では、11のブロックチェーンにまたがって約64億3000万ドル(約9645億円)が流出した。このうち約28億5000万ドル(約4275億円)は凍結が確認されている。
Ellipticによると、Tron上の主要ウォレットは31時間にわたって毎時継続的に資金を送り出していた。最長の停止時間は46分にとどまり、夜間も送金は止まらなかった。資金を受け取った約200のウォレットの大半も、受領から2分以内に別のウォレットへ転送していたという。
さらに、異なるブロックチェーン間で資産を交換できるTHORChainへの送金でも、同額の取引が繰り返されていた。
Ellipticは、こうした一連のパターンから、人手ではなくソフトウェアが資金洗浄を実行している可能性が極めて高いとみている。比較事例として、Bybitのハッキングでは洗浄の動きが人の勤務パターンに沿っていたとも指摘した。
同社は、資金移動が機械的な速度で進む以上、ウォレットの確認を一度行うだけでは不十分だと警鐘を鳴らした。確認時点で問題が見つからなかったウォレットでも、数時間後にハッカー側のウォレットから資金を受け取る可能性があるためだ。
このため、Ellipticは企業のコンプライアンス担当チームに対し、ウォレットを継続的に監視し、異常取引アラートを設定するよう勧告した。あわせて、今回の流出資金が経由したウォレットアドレスの一覧も無料で公開した。
流出資金の移転先別では、THORChainが3100万ドル(約46億5000万円)で最多だった。以下、SunSwapが530万ドル(約7億9500万円)、Bitget Swapが180万ドル(約2億7000万円)、USDT0が40万ドル(約6000万円)で続いた。