Naverは10月27日、代替投資大手Brookfieldと、最大90億ドル(約1兆3500億円)規模のAI向け計算インフラの確保に関する契約を結んだと発表した。これにより、NVIDIAによる10億ドル(約1500億円)の戦略出資の前提条件を満たし、AIファクトリー事業も本格的な実行段階に入る。
同社は同日、Brookfieldとの契約締結を受け、NVIDIAを引受先とする第三者割当増資の手続きを早期に完了させる方針も明らかにした。
Naverはこれまで、NVIDIAから10億ドルの出資を受ける条件として、当該資金を除いて少なくとも90億ドル規模の計算インフラを確保することを掲げていた。今回の契約によって条件が満たされ、NVIDIAによる出資金の払い込み手続きも進められる見通しとなった。
契約に基づき、Brookfieldは特別目的会社(SPV)として「Asset Co.」(仮称)を設立し、最大90億ドルを投じてGPUやデータセンターなどのAIインフラを確保する計画だ。Naver子会社のNaver Cloudは同社から計算資源の供給を受け、外部顧客向けAIコンピューティングサービスの運営を担う。
Asset Co.はBrookfieldの投資目的会社が100%出資して設立する予定だが、韓国採択国際会計基準(K-IFRS)に基づきNaverに支配力があると判断され、Naverの連結子会社となる見通しだという。
NaverとNaver Cloudは、大規模GPUクラスターの構築・運用経験とデータセンター運営能力を基に、AIファクトリー事業を主導する。NVIDIAは次世代の高性能コンピューティングプラットフォーム「DSX」などを軸に技術協力を行い、インフラ運用の効率化を支援する。
AIファクトリー事業は、ハイパースケールデータセンター「GAK Sejong」を中核拠点として進める。Naverは2027年上期に55メガワット(MW)規模のインフラ稼働を始め、2028年までに200MWへ拡大する計画。その後は海外市場にも段階的に展開し、長期的には1ギガワット(GW)級のグローバルAIファクトリー構築を目指す。
今回の契約には、初期投資負担の軽減を狙った料金体系も盛り込まれた。Naver Cloudはインフラを直接購入する代わりに、事業売上に連動して計算資源の利用料を支払う計画で、大規模投資に伴う初期資金負担を抑えつつ、事業運営の安定性を確保する方針だ。
Naverは、Naver Cloudの利用料支払い義務に対し、最大8年間の支払保証を提供する。会社側は、契約履行に向けた信用補完措置であり、保証の提供自体が直ちに実際の資金支出につながるものではないと説明している。
Naverは今回の契約により、NVIDIAとBrookfieldの資本・技術協力を基盤とするAIインフラ事業の枠組みを具体化した。今後はNVIDIA向け第三者割当増資の手続きを終え、国内外のAIコンピューティング需要に対応する事業拡大を進める方針だ。
Naver関係者は「第三者割当増資に関する具体的事項は後日案内する」とコメントした。