世界最大の暗号資産取引所Binanceが、ハッキングで流出した63億ドル(約9450億円)の大半を補填した。ロイター通信が10月31日(現地時間)に報じた。米連邦捜査局(FBI)は同日、攻撃元として北朝鮮政府の支援を受けるハッキング組織「TraderTraitor」を特定した。
ロイターによると、Binanceは流出したトークンを自社資金で買い戻し、損失の補填を進めた。BinanceもXへの投稿で、被害額のうち60億ドル(約9000億円)はすでに補填したと明らかにした。
同社は、残る1割弱については流動性の低い資産が含まれるため、必要数量の確保に時間を要する可能性があると説明している。
補填に充てた資金は、10億ドル(約1500億円)規模のユーザー保護基金「SAFU」の一部、先物保険基金の一部に加え、自社資金だという。
FBIは今回の攻撃について、北朝鮮政府の支援を受ける「TraderTraitor」が関与したと指摘した。同局は、盗難資産をイーサリアムに交換する動きを把握しており、さらなるマネーロンダリングが行われる可能性があるとしている。
これに先立ち、アナリストの間でも北朝鮮の関与を指摘する見方が出ており、今回の事件は過去最大級の資金窃取になる可能性があるとみられていた。北朝鮮はこれまで、国家と連携したサイバー組織による資金窃取への関与を否定してきた。
Binanceは業界パートナーと連携し、被害資産の一部を凍結しているという。
また同社は、Proof of Reservesに基づき、10月31日午前0時(グリニッジ標準時)時点の資産残高を再集計した。ビットコインやイーサリアムなど10種類のトークン保有者は、証明内容が全面開示され次第、顧客資産が少なくとも1対1で裏付けられているかを確認できるとしている。